かつては布団を収納するために住宅に必要不可欠だった「押入れ」ですが、ベッドの普及など生活スタイルの変化によって、使い勝手が良くないと感じている方も増えているのではないでしょうか。
押入れをリフォームすることができれば、見た目や利便性もアップできて、日常の快適さが向上することも期待できるでしょう。
ここでは、そんな押入れのリフォーム方法について取り上げていきたいと思います。
押入れを自分でリフォームする方法は?
部屋と一体化させる方法
引違い戸や敷居を外してオープンにし、部屋の一部にしてしまうと、部屋が広く感じられるうえに、片付けもしやすくなります。
基本、押入の中は壁も天井もベニヤや石膏ボードなどがそのまま見える「素地」になっていることが多いです。これらをパテやプライマーなどの処理を行った後、塗装やビニールクロスなどを貼ってゆきます。
床も同様に、ベニヤがそのままという場合が多いので、仕上げ材を貼りたいところです。
ただし、押入の床は人が乗る想定にしていないので、家によっては強度が弱い場合が有ります。立つだけでたわむなど、不安を感じる場合は、仕上材を貼る前に厚めの合板などを貼るなど対策をしましょう。
天袋を利用する方法
押入れの上に付いていることがある小さい収納を天袋と言います。この天袋、脚立や踏み台などに上がらないと手が届かず、中に物を入れても非常に見づらく出し入れしにくいので、用途に困っている方も多いと思います。
室内との一体化や機能性という観点では、地板やレールを取り除き、天袋を撤去してしまうのが理想的です。
ただ、のこぎりやノミなどの工具を使用する場面が多く、自分で行うには少々ハードルが高いかもしれません。
建具(戸)をイメージチェンジする
壁紙の貼り替え・塗装など、表面の仕上げを変えるだけでイメージはかなり変わります。剥がせる壁紙を使用すれば、手軽なうえ原状回復もできます。
天袋リフォーム用建具を購入し、既存の建具と取り換える
既存の天袋建具の寸法に合わせて発注できる、天袋用建具をセミオーダー式に販売しておるショップもあります。寸法の計測は自分で丁寧に行わなければなりませんが、比較的安価に上品な洋室引き戸が取り付けられます。
建具を取り外して使用する
思い切って建具を外してしまうのも手です。解放感や使い勝手も向上しますし、自分で用意した収納家具を設置することや、小物を置いてディスプレイスペースにすることもできます。
棚にする方法
自分の思い通りの位置に棚を追加できれば、収納力や見た目を格段にアップさせることができます。
L型のブラケットなどでも良いのですが、おすすめは可動棚にすることです。
チャンネルサポート(スリットやガチャ柱とも言います)を壁面にビス止めし、そこに専用のブラケットをかけ、棚板を固定します。すると、自分の必要な高さに棚を付けられるうえ、必要に応じて高さを調整できます。
ブラケットも棚板用だけではなく、ハンガーパイプなどに対応したものもありますので、用途の幅が広がること間違いなしです。
工事業者が取り付けるイメージの強いものですが、最近ではホームセンターのリフォーム材コーナーに置いてあることも多くなりました。DIYに自信が有る方なら、チャレンジする価値はあると思います。
下地の無い箇所にチャンネルサポートを固定すると、棚や乗せたものの重さに耐えきれずに外れてきてしまい、大変危険です。下地が有る箇所に固定するか、ホードアンカーを使用しましょう。
ベッドを合わせる方法
押入れの中棚を活用してベッドに使用する人のDIY動画をYouTubeなどでたくさん発見できます。中棚にスノコなどを敷いてマットレスを設置、はしごを取り付ければ簡易ベッドができあがります。
基本、押入れの幅は1.8m以下なので、子供用のベッドとして使用できるギリギリの寸法です。大人が使用するベッドであれば、中棚の下にベッドを入れる(足元側)形にするのが一番手軽です。
他、中棚の高さに合わせて手前に造作する方法もありますが、強度も考慮が必要な工事になるでしょう。いずれにしてもベッドが部屋を占めるスペースを減らすことができます。
キッズスペースにする方法
徐々に増えていく子供のおもちゃを収納するため、和室・押入れをキッズスペースとして利用するのも有効でしょう。
押入れの中にホームセンターや家具の量販店などで販売されているカラーボックスを配置して、子供のおもちゃや本などを収納できれば、ごちゃごちゃした細かいものをキレイに収納できます。
扉付きのボックスをしようするとなお良いでしょう。
押入れを自分でリフォームする手順
不要な箇所を撤去する
天袋や中棚などが不要な場合は、これらを撤去することから始めましょう。
棚板などはビスや釘を抜くだけで外れる場合も有りますが、鴨居や敷居などのレール部分は他の下地部分に組み込まれたり、逆側からビス・釘止めされている場合も多く、外しにくいです。のこぎりやノミで切り落とす必要があることも想定しておきましょう。
切断面などはヤスリなどで平坦にしておくと、後の仕上げがキレイに仕上がります。
(下地の位置を確認しておく)
棚を設置する予定であれば、仕上げを行う前に下地を確認しておくと安心です。
壁の中には一定間隔で間柱などの木材や軽量鉄骨などの「下地」が入っています。基本、ビス止めを行うときは下地にめがけて打たないと、荷重がかかった場合に簡単に外れてきてしまいます。
必要な箇所に下地が無い場合は、厚め(12mm以上)のベニヤを重ね張りすることも検討しましょう。床も同様に、立つだけでたわむようであれば重ね張りした方が安心です。
壁・床・天井に内装仕上げをほどこす
押入れの中の壁や天井・棚板や床など、石膏ボードやベニヤなどのままになっていることが多いです。
これらにビニールクロスや塗装などの仕上げをほどこす場合は、下地処理が必要になります。
- 石膏ボード面はジョイントやビス・釘打ちの箇所にパテを塗り、乾いたらヤスリがけをする
- ベニヤの面にはパテやシーラー(プライマー)を塗る
下地処理が終われば、いよいよ塗装やクロス貼りです。
不要な箇所にペンキなどの汚れが付かないように、徹底した養生を行ってから作業しましょう。
天井・壁を仕上げたら、床を仕上げていきます。おすすめなのはカットがしやすい(やわらかい)クッションフロアや、一枚のサイズが小さくて貼りやすいタイルカーペットなどです。
diyで押入れをクローゼットにリフォームする方法
中棚を壊してチャンネルサポートを付けて…といった工程はdiyで行う場合、なかなか難易度が高いと感じる人も多いかと思います。また、賃貸住宅の場合、原状復旧ができないくらいのリフォームは無理ですよね。
現状の押入れをそのままにクローゼット化するには、ホームセンターや家具の量販店で販売されている「突っ張り棒」を活用することで、押入れ内にハンガーパイプを設置することができます。
高さや幅を調整できる、突っ張り棒を組み合わせた押入れ用のハンガーラックも多数のメーカーから発売されているので、設置したい箇所の寸法を把握しておけば、自在にクローゼット可ができます。
おしゃれな押入れリフォームの事例
押入れリフォーム終了☆ pic.twitter.com/HlMI84ATnB
— ♡*AIRI*♡ (@0024nissgmailc1) January 25, 2015
押入れをデスクにリフォームしている方も多く見受けられます。中棚を壊さずに仕上げとすることで天板を構築でき、効率の良いリフォームと言えるかもしれません。
#田舎暮らし #リノベーション #diy #相互フォロー
— 心を絵に☕️たけまるism (@takemaru0923) November 23, 2019
押入れリフォーム❣️ひとまず完了〜 pic.twitter.com/l8XR2FDdOF
こちらは押入れに手洗いを設置してしまったケース。給排水の配管を引かなければならないので、かなり高度なリフォームではあります。
ソファと棚を設置して自分だけのくつろぎ空間に。ただしその快適性は既存の押入れのサイズにもよるところが大きいでしょう。
「押入れ リフォーム 自分で」を検索する人がよく思う質問4選
まとめ:押入れのリフォームは使い道を考えてから始めよう
今回は押入れのリフォーム・活用の方法について紹介してきました。
押入れといえば一般的には1畳の広さが有ります。1畳あれば収納スペース・クローゼットにとどまらず、アイデア次第で様々な活用法があることが、ここまでご紹介した事例でも感じられたのではないでしょうか。
ネット上にはまだまだたくさんのリフォーム例が挙げられています。それらをじっくり見比べて、自分の理想とする形を考えてからリフォームにとりかかりましょう。