住宅内の壁紙の破れや剥がれ、傷や浮きなど、意外に気になるものです。
壁にモノをぶつけたことが原因の物理的な要因から、湿気・結露などにより収縮を繰り替えしたことが原因のものなど、理由は色々ありますが、いざ補修しようとしても同じ柄の壁紙を用意するのって、ちょっと面倒そうですよね。
ここでは、壁紙の補修を自分でおこなう方法について紹介していきたいと思います。
壁紙の補修で同じ壁紙がない場合の対処法は?
同じ壁紙がない場合の補修方法
補修用壁紙を使用する
シンプルな白のクロスであれば100均でも購入できる「補修用壁紙」が便利です。シールタイプのものであれば糊付けも不要で大変お手軽です。
ただしA3用紙くらいの大きさしかないので、小さな部分補修向けです。
見えない・目立たない部分の壁紙をカット
コンセントボックスやスイッチのカバー・プレートの下に入っている部分の壁紙や、移動しない家具の裏の部分など、通常見えない・目立たない部分のクロスを剥がして補修箇所に貼る方法です。
ごく小さな補修にしか利用できません。
壁一面の貼り替えを依頼
補修範囲が広い(剥がれ・破れが広範囲)な場合、一面まるまる貼り替えを内装業者に依頼するのも手です。
最近はひとつの部屋の中で一面だけ壁紙を変えてアクセントにしているケースも多いです。あえて近似色ではなく、現在の壁紙の色と相性の良い他色にするのも良いでしょう。
補修する際の注意点
何かをぶつけて剥がれた箇所の補修であれば、単純に壁紙の補修だけで良いのですが、結露などによって剥がれが発生している場合、範囲が拡大した状態では、下地である石膏ボードなどもカビによってボロボロになっている可能性もあります。
こうなると、糊も付きませんし壁紙の貼り替えだけでは収まらなくなります。
こういった場合は、リフォーム業者や住宅の工事を行った施工業者(工務店)などに依頼するが得策でしょう。
同じ壁紙がない場合の補修のコツは?
同じ柄の壁紙の探し方
住宅を手掛けたハウスメーカーや工務店がわかる(現在もおつきあいがある)のであれば、施工当時の資料から壁紙の品番を調べてもらえる可能性があります。
住宅の大多数で使われている壁紙のビニールクロスは、数年で廃盤になるものも多く、新築当時の品番が現存している可能性はあまり高くありませんが、品番がわかれば近い色・柄のものも探しやすくなります。
壁紙補修の色合わせ方法
補修の際の色合わせはできる限りシビアに、似ているものを探しましょう。仕上がりに直接影響する部分なので、ここを怠ると後々不満が増してくることになります。
メーカーのビニールクロスのカタログには実際の材料がカットして貼られています。また、内装業者はA4サイズなどのサンプルを手配することもできます。それらを参考に同じ(近い)柄の壁紙を探すのが一般的です。
逆にホームセンターなどで補修用壁紙を購入する場合は、実際に貼られている壁紙の切れ端を持っていって照らし合わせると失敗が無いかと思います。
ちなみに、最近はWEBカタログも気軽に閲覧できますが、ディスプレイ越しだと色合わせは難しいので注意しましょう。
壁紙破れをごまかす方法は?
壁紙破れのなかでも小さなものであれば、専用の補修材でごまかすことも可能かもしれません。
5mmを超えない程度の小さな破れ・穴に対応できる「クロス穴埋め材」が、ネットやホームセンターなどで販売されています。
ビニールクロスの穴埋め専用の商品の他、ジョイントコーク・ボンドコークなどと呼ばれるものがそれにあたります。
オーソドックスな壁紙の色に対応できる程度のバリエーションがあり、壁紙を選ぶほどシビアでなく破れや穴が目立たなくなります。
壁紙が剥がれる原因は?
人の出入りが多い場所(居間や玄関)などでは壁に接触する(モノをぶつける)可能性も高くなるので、部分的な剥がれが発生する可能性は高くなります。
その他、結露や雨漏りなどで下地に湿気・水が浸透して壁紙が剥がれてくることや、伸縮を繰り返し亀裂を生じる場合などがあります。
自分で壁紙補修をする場合の準備
壁紙の補修をDIYで行う場合に必要な材料や工具です。比較的安価に揃うものも多く、100均で購入できるものもあります。
- 補修用接着剤:部分補修に必要な量程度であれば数百円で購入できます。
- リペアシート:壁紙の下地(石膏ボード等)に穴が開いた場合に貼る補修材。500~1,000円くらいです。
- パテ:下地を平坦にする必要がある場合に使用。リペアシートとセットになっている商品もあります。
- ヘラ:パテを塗る際に使用します。
- やすり(サンドペーパー):パテを研磨します。パテ塗りする場合は必須です。
- 定規
- カッター:細いものの方が使いやすいです。
- 筆記用具(主に鉛筆)
- 壁紙:同じ品番のもの。もしくは似た色・柄の補修用壁紙。
- ローラー:接着した壁紙を貼りつける際に使用します
- スポンジ:補修材・のりがはみ出た部分などを水拭きする際に使用します。
自分で壁紙剥がれを補修する方法
下地の確認・処理
壁紙の下地(ベニヤや石膏ボード)に傷や凹み、穴などが無いかを確認します。
- 傷や凹みが5mm程度までであれば、前述した「クロス穴埋め材」を詰めて終了とすることもできます。
- 1~2cmくらいの穴の場合はパテを塗り、乾いたらサンドペーパーでパテを平滑にします。
- さらに大きな穴(例えばこぶし大くらい)の場合は、リペアシートを穴の大きさよりひと回り大きいくらいの範囲に貼り、その上からさらに広範囲にパテを塗ります。
- それよりさらに大きい穴や複数の穴の場合は、下地を貼り替える必要が出てきます。業者に任せるのが賢明でしょう。
壁紙の剥がれ補修
補修用に用意した壁紙を貼っていきます。
- 剥がれた箇所より少し大きく、壁紙を四角形にカッター入れをして壁紙をめくります。
- 上記の四角形よりもひとまわり大きく補修用の壁紙を切ります。
- 剥がれ箇所に補修材(のり)を薄塗りします。極力はみ出ないように注意しましょう。
- 補修用壁紙を貼ります。4方とも余裕が出るよう、中心に貼りましょう。
- 既存壁紙と補修用壁紙が重なっている部分で、2枚が一緒に切れるようにカッターを入れます。
- 切り目に沿って、補修用壁紙→既存壁紙の順に剥がし、ローラーで継ぎ目までのりを延ばしつつ、接着していきます。
- はみ出たのりを水を含んだスポンジなどで取ります。のりが残っていると後々変色して目立つので注意です。
補修用壁紙はダイソーなどの100均で購入できる?
ごく一般的な白い壁紙であれば、ダイソーやセリア、キャン★ドゥなどのいわゆる「100円ショップ」で購入することも可能です。
ガラや色のバリエーションは無いに等しいので、明らかに合わない・馴染まないと思ったら、ホームセンターや内装施工業者に相談した方が良いでしょう。
また、補修用壁紙が置いてあるか否かはそれぞれのお店の規模・品揃えによるところが大きいです。何件かお店をはしごする覚悟も必要かもしれません。
100均に壁紙破れごまかしグッズや壁紙補修シールはある?
ビニールクロス状の仕上がりが施されており、貼るだけで壁の穴をふさげる「壁紙補修用シール」や壁紙用のボンド程度であれば、壁紙と同様100均で揃えられる可能性もあります。
こちらも補修用壁紙と同様、ホームセンターやネットショップなどの方が多くの商品を見つけられるでしょう。
壁紙剥がれの補修をプロに依頼する場合は?
プロに依頼した方が良い場合
- 壁紙の損傷が広範囲な場合
- 剥がれ以前に壁紙が古びた感じになっている場合
- 下地の損傷が著しい場合
こんな時はプロの業者にお願いした方が良いです。広範囲を施工するだけの材料や工具などを個人で揃えるのも負担が大きいですし、仕上がりの差がハッキリ出てしまうでしょう。
料金の相場
壁紙の中でもシェアの多いビニールクロスには、メーカー共通でおおまかに二つのランクに分かれています。
- デザイン豊富な「一般クロス」と呼ばれるもので1㎡あたり1,500~2,000円程度
- 安価でベーシックな色・質感の「量産クロス」と呼ばれるものでは1㎡あたり1,000~1,200円程度
※昨今の資材の高騰の影響で上記の範囲に収まらない可能性もあります。
また、基本的には金額は面積で形状しますが、少ない範囲でも人件費は発生するので、最低料金は存在します。
さらに、下地の貼り替えや補修が必要な場合は大工工事として20,000円以上の追加料金も必要になるでしょう。
「壁紙 補修 同じ壁紙がない」を検索する人がよく思う質問4選
まとめ:同じ壁紙がない場合も放置せず早めに対応を!
塗装などに比べ割安でありながら、美しく仕上がるビニールクロスの壁紙。ただし、建物の収縮や湿気などで剥がれや割れなども発生しやすいのがネックです。
これらの損傷は放っておくと広がる傾向にあります。早めに対処することで、被害の拡大を防ぐことが大切です。
ちなみに、ビニールクロスの耐用年数は10年前後とも言われています。補修を考えている部屋の壁紙が10年以上前に貼られたものであれば、いっそ全面貼り替えてリフォームするのもアリということも頭に入れておきましょう。