壁紙(クロス)が劣化してくると、部屋の印象が大きく変わります。
破れていたり黄ばんでいたりすると、それだけで建物に古さを感じてしまうでしょう。
住宅の内装を構成するものの中でも占める面積が大きいので、それだけ影響が大きいのです。
壁紙を張り替える場合、どのくらいの予算を考えておけばよいのでしょう。
ここでは、住宅のクロス張替えにかかる費用を紹介していきます。
壁紙張替え費用は一軒家でどれくらい?
それぞれの部屋ごとにかかる費用を把握できれば、どの範囲でリフォームするかも検討しやすくなります。各部屋の目安を見ていきましょう。
一軒家全体の場合
家の間取りや坪数によっても違いはありますが、一般的には250,000~500,000円くらいが相場です。
これだけ一度にかかると金額的な負担は大きいですが、一室ずつ分けて工事を依頼するよりは割安になる場合が多いです。
部屋ごとの場合
ひと部屋だけの張替えを依頼した場合、面積から計算すると30,000~120,000円くらいです。
ただし、あまりに面積が少ない場合だと、単純な平米(㎡)計算内で収まらない可能性が高くなってきます。
狭い範囲でも、最低1日分の人件費がかかってしまうのがその大きな理由です。
リビングの場合
家族が長い時間過ごすであろうリビングなので、壁面の汚れも付きやすいかと思います。家族の中に喫煙者がいる場合はタバコのヤニで黄ばみができていたり、またペットを飼っていれば傷や剥がれも気になるでしょう。
リビングはほかの部屋に比べて広めに作られているでしょうし、天井が高い場合もあります。
8畳で50,000~80,000円くらい、12畳でも100,000円程度で納まりそうです。
キッチンの場合
料理による汚れによってクロスの消耗が激しいのがキッチンです。
火や水を頻繁に使う場所なので、耐水性や不燃性など高機能な材料が求められる場所でもあります。
それらの理由から、4畳半~6畳程度のキッチンのクロス張替えで50,000~70,000円程度かかります。
リビングや居室に比べて割高になることを想定しておきましょう。
トイレの場合
「狭い部屋ほど割高になる」という法則の代表的な箇所がトイレです。
広さとしては1畳程度のことが多い住宅のトイレですが、費用の目安は30,000~45,000円程度になります。
最低限の施工費(人件費)がかかってしまうのが主な理由ですので、トイレの壁紙を張り替える場合は、他の部屋と一緒に依頼することで費用を軽減できるかもしれません。
なお、トイレも臭いのもとになる汚れが付着しやすい場所です。
撥水や抗菌・消臭といった機能性を持ったクロスを選ぶのが理想的です。
玄関の場合
人の出入りが多く、家族以外の人の目にさらされることも多い玄関。
なので、キレイな状態を保ちたいと思う方も多いでしょう。
雨や雪などの日には湿気を帯びることも多く、靴の汚れなどが付着する可能性もあることから、丈夫で湿気にも強い上級のクロスを選びたいところです。
壁面クロスの張替え費用は50,000~70,000円程度みておくと良いでしょう。
一般的な壁紙クロス張替え相場は?
おまかな張替え金額の目安です。昨今の材料高騰などで変動がある可能性も高く、また地方によっても相場は違ってくるでしょう。
部屋 | スタンダード(#500) | ハイグレード(#1000) |
6畳 | 4.2万円~5.5万円 | 5.5万円~7.2万円 |
10畳 | 5.5万円~6.7万円 | 7.7万円~8.8万円 |
15畳 | 6.8万円~8.6万円 | 8.8万円~11.2万円 |
トイレ | – | 3.0万円~4.5万円 |
洗面所・脱衣所 | 4万円前後 |
壁紙クロスの測り方と計算方法
壁紙クロスの測り方ですが、基本的には壁の面積(平米数)から算出されます。
ただし、ビニールクロスはロール式で幅も決まっているので、余材が確実に発生します。
そのため、実際の壁面積に1~2割程度多めに発注しないと材料が足りなくなってしまうのです。
自分で部屋の壁面積を正確に測ったとしても、実際にはその面積ぴったりの金額にはならないということを理解しておきましょう。
壁の幅・床の長さ(全面分を加算)×天井高さ×クロスの単価×余材分(1.2前後)
これが、基本的な計算方法です。床の長辺が3.6m、短辺が2.75m、天井高が2.4m
クロスの平米単価が1000円だとすれば
12.7m×2.4×¥1,000×1.2 = ¥36,576 となります。
ただし、先にふれたように狭い部屋の場合は人件費を考慮して割高になりますし、養生費や撤去材の処分費などが別途発生する場合もあります。
このあたりの相場は業者のさじ加減ひとつなところがありますので、見積もりをとってみるまでは何とも言えません。
一軒家のクロス張替え期間はどれくらい?
クロス張替えの工事期間は部屋の使用にも支障がでてきます。
なので、工事にどのくらい期間がかかるか気になりますよね。
1日に入ってくれる職人の人数にも大きく左右されますが、一般的には一軒家全体の壁面の張替えで5日~8日程度の工事で納まることが多いです。
基本、ひと部屋に1~2日くらいかかります。
寒さや多湿などで下地のパテが乾きにくい場合、余計に時間がかかってしまう場合もあります。
少しでも工期を短くしたい場合は、家財の移動などの余計な手間に時間を取られないよう、あらかじめ自分で工事が行いやすいように撤収しておくことです。これは、工事費の総額にも影響してくる可能性があります。
一軒家のクロス張替えは自分でできる?
ビニールクロス自体はホームセンターなどでも販売されているので、自分で張替えたいと考えている人も多いかもしれません。
結論から言えば、自分で張替えができる範囲としては、
- 面積が小さい箇所
- 平坦な箇所(ドア・窓などが絡まない)
- 使用頻度が少ない(アラが目立たない)部屋
このあたりで考えていた方が良いでしょう。長尺のクロスをカットして、ヘラを使い手作業で糊付けして広範囲を張っていくのは、なかなかに骨の折れる作業です(専門業者は糊付けとカットを自動で行える専用の機械を使います)。
人の目に触れることの多いリビングの壁全面をdiyで行うのは、少々敷居が高いように思われます。
凹凸の無い壁の一部分(ひと幅)をアクセントとして張り替える場合などは、diyでも対応できそうです。
一軒家の壁紙張替えをクロス業者に依頼する方法
家全体など広範囲を張り替えたい、もしくは範囲は狭くても障害物が多く、複雑なカットが必要な場合などは、内装仕上業者に依頼するのがおすすめです。
新築した時のハウスメーカーや工務店とお付き合いが有れば、まずは相談してみましょう。
実際に新築時に作業を行ったクロス張り業者に依頼できる可能性が高いです。
そういったつながりが無く、どこに依頼して良いかわからないときは、ネット上で業者の紹介・口コミサイトで調べてみるのも手です。
実際に依頼した人の口コミを見れば、業者を選ぶ際にどういったことに注意すべきか、どんな失敗例があるかもわかり、大変参考になるでしょう。
クロス業者に依頼する際の注意点
クロス張替え工事に限らず、工事全般を依頼するときにおすすめしているのが、複数の業者に見積もりを依頼すること(相見積もり)です。
クロスの張替えは面積から計上するので、比較的見積もり金額はわかりやすいのですが、平米単価が同じグレードの商品・同品番でも違う場合もあります。
さらに、養生や既存クロス剥がし、撤去材処分費などの雑費になると、各業者で算定方法はそれぞれです。
見積もりを比較する場合は、必ず明細と総額、両方を確認して比べるようにしましょう。
「壁紙 張替え費用 一軒家」を検索する人がよく思う質問4選
まとめ:壁紙の張替え費用は安くはないので見積もり内容も要チェック
ここでは住宅の壁クロスの張替えについて紹介してきました。
建物の形状や環境、面積など費用が変動する要素は数多くあります。また、地方によっても材料や施工費の単価も違ってくるでしょう。
ここで紹介した数値はあくまで目安と考えたうえで、できる限り多くの業者に見積もりをとってみることをおすすめします。
また、取った見積もりも、総額だけで見比べるのではなく、どういった内容が明細として書かれているのかもチェックするようにしましょう。
後々追加費用がかかったということがない様、「Aの業者の見積書に書かれている項目がBの業者の見積書には無い」といった場合など、気になる箇所や不安要素が有れば積極的に担当者に確認をとるようにしてください。