ホームセンターやネットショップなどで販売されている「剥がせる壁紙」。貼付け面にあらかじめ糊が付いており、壁紙の上から貼って剥がせるというコンセプトの商品です。
基本、壁紙の貼替えがゆるされない賃貸の部屋でも気軽に模様替えができるため、購入を検討している人も多いのではないでしょうか。
ここでは「剥がせる壁紙」の機能性や信頼性、注意点などについて掘り下げていきたいと思います。
剥がせる壁紙は本当に剥がせる?
もともとの壁の仕上げ材を傷めずに貼って剥せるのがメリットの剥がせる壁紙。でも、糊がついていることには違いないので、本当にもとの壁をいためずに剥がせるか、半信半疑に思っている人も多いと思います。
結論から言うと、剥がせる壁紙も、長い時間貼っているほどキレイに剥がしにくくなる傾向にあります。
シールやテープなどで経験がある方も多いかと思うのですが、そういった類の糊は時間がたつほど粘着が強くなり、剝がれにくくなる傾向にあります。何年も貼ったまま放置するのは危険かもしれません。
また、経年で傷みの激しい壁紙や、和紙などの繊細な壁紙なども傷めてしまう可能性が高いです。
剥がせる壁紙で原状回復の失敗例は?
剥せる壁紙を貼って、原状回復に失敗した・トラブルになったなどのコメントを、ネット上からも見つけられました。
賃貸物件のため、貼って剥がせる壁紙を探しており、購入いたしました。
引用元:楽天市場
使用可能な壁にこちらの壁紙を使用したのですが、こちらの商品の粘着が強く、剥がす際にもとの壁紙が剥がれて破れてしまいました。最悪です。
また、剥がすときにのりがベタつかないとありましたが、普通にベタつきます。壁紙を剥がすと貼っていた壁一面が糊でベタベタになってしまい、処理が大変です。
賃貸物件でなければ良いのかもしれませんが、正直買ったこと、使用したことを後悔しております。
商品の粘着力の強さで元の壁紙を傷めてしまった、ベタベタが残ってしまったという例は少なからず見受けられます。
それぞれの商品で粘着力や剥がしやすさにも差があるでしょうから、ネットで購入する場合は口コミにも注目したいところです。
私は、洋風が好みだったので入居1ヶ月程で昔ながらのホーローでできた台所の扉に貼ってはがせる壁紙(リメイクシート?)を貼りました。
-中略-
大家さんが部屋が入った時に、リメイクシートに驚かれたので、私は今は賃貸でもこういったシートでリメイク出来る商品があること、退去時には綺麗に剥がして原状復帰して明け渡すことを説明しました。その時大家さんは「そうなのね…でも高いホーローなんだから、そんなのはる必要ないのに…」といった感じでした。
-中略-
大家さんはホーローのキッチンがお気に入りだったらしく、それが汚れては困る、次の借り手もつかない。元々2年の更新時に言うつもりだった。今はがせば糊もべたつかないかもしれない!とのことでした。
許可なくリメイクシートを貼ったことは謝罪しましたが、すぐ剥がすかどうかは家族と相談してからお返事させて下さいとひとまずお答えしました。(大家さんもヒートアップしてきていたので)
引用元:Yahoo!不動産
もう一件は大家さんとのトラブルです。
壁紙の原状回復(復帰)はどこまでが修繕対象になるかが、契約内容にもよるなど曖昧ですが、それだけに感情がからむとこじれてしまうことも多いでしょう。
あらかじめ報告や相談をしておく方が安心かもしれません。
壁紙は剥がした後ベタベタなの?対処法は?
剥がせる壁紙をはがした後は
糊が残らない(残りにくい)とされている剥がせる壁紙ですが、元の壁仕上げとの相性や貼付け期間などによって糊が残ってしまうというケースも出てくるようです。
日常でも、シールを剥がした後のベタベタを取りたい場合にガムテープなどを使う場合がありますが、粘着力が高いため、壁面には使用しない方が良いでしょう。
対処法
ベタベタが元の壁に残ってしまった場合は「シール剥がし材」を使用しましょう。
スプレー式のものが一般的で、ホームセンターや100円ショップなどで売られています。使用する面に適合するか、商品に書かれている注意事項も確認して使用しましょう。
また、剥すときにできる対処法としては、「温めながら剥がす」そして「ゆっくり・優しく剥がす」ことです。
糊やシールなどを剥がすこと全般に言えることかと思いますが、冷えた状態よりも温めた方が剥がしやすく、糊の残りも少なくなります。ドライヤーなどで温めながら、なおかつゆっくりと根気よく剥がしていくことが大切です。
剥がせる壁紙とは?
一般的な壁紙との違い
一般的な壁紙との大きな違いは
- あらかじめ糊が付いている
- 既存の壁紙の上から貼れる
- 既存の壁紙を傷めずに剥せる(原状回復できる)
といったことになるでしょう。
一般的には壁紙(ビニールクロスなど)はロール式の長尺な商品で、専門業者が仕入れ、貼る際に専用の糊付けの機械で糊付けを行ってから貼っていきます(DIY用の糊付け用具もあります)。
また、貼り替えをするには既存の壁紙を剥がし、凹凸のある部分にはパテを塗って下地を平たんにする必要が有ります。
そういった工程からもわかるように、通常の壁紙は自分で行うには作業の敷居が高いうえに、原状回復ができないのです。ちょっと「気軽にイメージチェンジ」という感じにはできないでしょう。
剥がせる壁紙の種類
剥がせる壁紙のほとんどは、いわゆる「ビニールクロス」と呼ばれるポリ塩化ビニル製です。扱いやすく施工性が良いので、日本で使用されている「クロス」のほとんどはこの材質になります。
柄は非常に幅広く、無地から木目や石目、コンクリート打ち放し調のものなど多種あり、アイデア次第で自由なイメージチェンジが可能となっています。
綺麗に剥がせる壁紙は賃貸でもOK?
退去時に原状回復が必要な賃貸住宅に剥がせる壁紙を貼っても良いのか?
上記でも一例を紹介したように、これに関してはネット上でも議論が行われています。
まず、退去時に剥がせる壁紙を剥がすこと、これが前提であると考えておきましょう。
その際に元の壁仕上げが傷んで(剥がれて)いなければ問題は生じないはずですが、元の仕上げを傷めてしまった場合は退去時の確認のときに指摘されてしまうかもしれません。
入居時の契約内容にもよるのでしょうが、剥がせる壁紙を貼る前に大家さん・管理会社などにあらかじめ相談をしておくと間違いないかもしれません。
貼ってはがせる壁紙のメリットとデメリット
はがせる壁紙のメリット
貼りやすい
前述しましたが、一番のメリットは自分でも貼りやすいことです。
剥がせる壁紙のほとんどは、糊があらかじめ付いているシールタイプです。糊付けの手間もなく、工具も最小限で済みます(カッターや下に敷くマット、定規などは必要でしょう)。
また、業務用に比べて小さい(幅が狭い)ものもあり、狭い範囲にも貼りやすいという利点もあります。
バリエーションが豊富
DIYリフォームの需要が高まっているなか、剥がせる壁紙も色や柄の種類が豊富に揃っています。室内全体のイメージチェンジはもちろん、部分的なアクセントに貼るにも最適です。
ネットで検索してもたくさんの商品がヒットします。セレクトする際には「剥がせる」という表記があるかという点には注意が必要です。
はがせる壁紙のデメリット
粘着力が弱い(剥がれてくる)ことがある
剥がしやすいというメリットは、同時に「剥がれやすい」というデメリットになりうることもあります。
特に既存の壁が凹凸の多いものだったり、汚れが目立つ場合など、使用しているうちに剥がれてくる可能性があります。
商品によってはサンプルを取り寄せられるというものもありますので、不安があればそちらで試してみるのも良いでしょう。
また、剥がせる両面テープを併用するという手もあります。
剥がしずらいことがある
逆に、接着が強くて部分的に元の壁紙が剥がれてしまう場合があります。現状回復が必要な環境の場合、これが一番のネックになるでしょう。
「ゆっくり・優しく剥がす」「ドライヤーなどで温めながら剥がす」など、慎重に行いましょう。
剥がせる壁紙のおすすめ商品
国産製品・海外製品ともに豊富に売り出されている「剥がせる壁紙」。色・柄の良さを重視するか、貼りやすさ・剥がしやすさ(元の壁紙へのダメージ)を重視するかで、おすすめの商品は違ってきます。
また、キッチンなど水回りに貼りたい場合は撥水・防水加工が付与されている商品、さらにコンロの周辺であれば不燃素材の商品から選びたいところです。
「剥せる壁紙 おすすめ」と検索するだけで、紹介ページがたくさん見つけられます。自分が重視することも検索ワードに加えて調べてみましょう。
はがせる壁紙のマスキングテープタイプ
マスキングテープといえば、もともとは建築工事や塗装などを行う場合の養生用テープです。そんな、「仕上げを傷めずに貼って剥がせる」という特性を活かした、壁紙として使用する目的の幅広なマスキングテープも存在します。
細いもので5センチ、広いもので20数センチ程度で、個性的な柄のものも多く、どちらかというとアクセント的に使用するのに適した商品と言えます。
はがせる壁紙はニトリで購入できる?
多彩なインテリア・家具を取り扱うニトリでも、剥がせる壁紙を購入できます。
「リノベウォールシート」「貼ってはがせるシール壁紙」など、木目やレンガ調といった落ち着きある色・柄のラインナップがあります。
剥がせる壁紙はダイソーで購入できる?
大手100円ショップのダイソーにも「リメイクシート」が販売されています。
柄も豊富で、大型店に行けば個性的な柄のものも多く見つけられるでしょう。
45cm×90cmとサイズは小さめなので、ピンポイントのアクセントとして貼りやすい反面、壁全面に貼るとなると結構な枚数が必要になりそうです。
剥がせる壁紙を剥がすとき失敗しない方法はある?
剥がせる壁紙を撤去する(剥がす)ときに気を付けたいことをまとめてみます。
- 温めながら剥がす(ドライヤーで熱風を当てながらなど。バーナーなど、焼け焦げる可能性のあるものはNG)
- ゆっくり、優しく剥がす(元の壁紙が付いてくる可能性が激減します)
- 商品の説明書を確認する(専用のシール剥がし剤が必要な商品もある)
剥がせる壁紙を剥がすときの注意点は?
力をこめて一気に引っ張って剥がそうとすると、剥がせる壁紙自体も破れますし、下地(元の仕上げ)を傷めてしまいます。
特に、柄物や濃い色の付いた壁紙は、少しの剥がれでも目立ちやすい傾向にあるので一層注意が必要です。
角から少しずつ力を加え、様子を見ながらゆっくり剥がしましょう。
「剥がせる壁紙 本当に剥がせる」を検索する人がよく思う質問4選
まとめ:貼り方によってきれいに剥がせないことも!
工具も最小限で自分で貼れる「剥がせる壁紙」は、手軽なイメージチェンジの強い味方です。でも、貼り方によってはきれいに剥がすことができず、困ってしまうケースもあるようです。
特に、賃貸住宅など原状回復が前提のお部屋では、いざ退去のタイミングで元の壁紙を傷め、途方に暮れてしまうようなこともあり得るのです。
あらかじめ商品のサンプルを用意して、目立たない箇所に貼ってみることや、管理会社に相談、許可をもらっておくなど、万全の準備をもって使用しましょう。