物置からベランダ、カーポートなどの屋根の材料として使用される「波板」は薄くて軽い、取り扱いやすい材料として広く利用されています。
ただし、屋外で長年使用されることで割れや腐食などが発生してきます。
そのまま使用し続けると見栄えが悪いことはもちろん、雨漏りなどで中(下)に置いてある物への被害も出始めるでしょう。
ここでは波板の交換方法や依頼先、どのくらいの費用がかかるかなど、補修に関して掘り下げていきたいと思います。
波板を交換するには?
波板は建材としては比較的薄くて軽く、素人でも取り扱いやすいものといえます。
DIYで施工することも不可能ではありません。
工事に必要な工具や材料も、ホームセンターやネットショップで揃えることができます。
ただし、仕上げが不完全だった場合、雨が漏ったり強風時に剥がれたり吹き飛ばされるなどのリスクはあります。
雨漏りはともかく、吹き飛ばされた場合は様々な二次災害の恐れもあるため、DIYで交換を行う場合はしっかりと準備をし、正しい方法で丁寧に作業していくことが大切です。
また、カーポートなどそれほど高さの無い場所なら良いのですが、2階のベランダの屋根などの高所での作業は大変危険なうえ、足場を掛ける費用はかかってしまいます。自分で作業することは極力控えましょう。
DIYに自信がない場合は業者に依頼することを検討しましょう。
リフォーム専門業者や工務店など、窓口は色々ありますが、実際に作業を行うのは主に板金工事業者になります。
良心的な業者に依頼できれば確実な施工を期待できる他、アフターフォローもお願いでき、安心感があります。
波板の交換費用
波板の張替え施工単価
波板の交換(張替え)費用の計算法は、業者に依頼する場合、基本的に
材料費 + 施工費
となります。
材料費は波板の素材によって1枚あたりの単価が変わります。
そして、施工費も枚数の他、施工環境によって変動するでしょう。
また、割れた1枚だけを張り替えることは構造上できないので、張り替え枚数は多めに算出する必要があります。
ちなみに、波板の種類は主に以下のものになります。
いずれも1枚の寸法は1820mm(6尺)×655mmでみています(長尺の波板もあります)
また、昨今の建材の価格高騰で目安金額をオーバーする可能性も考えられます。
ポリカーボネート ≒¥1,600~3,000/枚
合成樹脂の一種であるポリカーボネートは衝撃に強く、透明性も高いです。
加えて紫外線のカット率がほぼ100%という特性があり、劣化させたくない工具や車などを保管している物置・車庫の仕上げ材としても非常に有用です。
なお、耐久年数は7~10年程度と言われています。
ガルバリウム鋼板 ≒\2,000~4,000/枚
鋼板に溶融した亜鉛とアルミ、シリコンを付着させて作られるガルバリウム鋼板は、鋼板ならではの強度の高さに加えて腐食に強く、耐熱性も高いです。
耐久年数も15~20年程度と非常に長く強度も高いため、工場・倉庫といった工業用の屋根に使用されています。
塩化ビニル樹脂 ≒¥1,000~1,200/枚
塩化ビニルを重合させて作られるプラスチックの一種である塩化ビニル樹脂は、屋根材として長く定番となっていました。
一番の魅力は価格が安いことですが、一方で耐久性は他の材質に比べて低く、3~4年程度で劣化してくることも多いです。
ガラスネット ≒¥1,800~2,100/枚
上記の塩化ビニル樹脂内にガラスネット繊維を組み込んで強度を高めたものです。
塩化ビニル樹脂よりも強度が高く、耐久年数も4~5年程度となっていますが、塩化ビニル樹脂製より硬く取り扱いが難しいため、DIYで施工する際には注意が必要です。
そして、施工費の内訳は主に以下のものになります。
- 既存材撤去・処分費 ≒1,000/枚~
- 取付け施工費 ≒¥35,000~
- 諸経費 ≒¥10,000~(工事費の10~20%で計上されることが多い)
波板の張替え料金相場
前述した金額からおおまかな計算をしてみましょう。
波板6枚の張り替えとして、
既存撤去処分:¥1,000 × 6、波板(ポリカーボネート製):¥2,400 × 6、施工費:¥45,000、諸経費:¥15,000
→大体¥80,000から となります。
ただし、地方によって相場は違いますし、工事の難易度によって施工費はかなり違ってくる可能性があります。
「端から順に一定の重ね幅をとって張っていく」という波板の張り方から、真ん中あたりの1枚に破損があるとしても、張り替えはその1枚だけではなく複数枚張り替える必要があります。その分の枚数も想定して計算しなけらばならないということを覚えておきましょう。
ベランダ・テラス波板の張替え料金相場
一般的なベランダ屋根の波板張り替え費用は、選択する素材にもよりますが平均10万円程度と言われています。
さらに2階のベランダ等であれば足場をかける必要があり、その場合は足場の費用に10万円前後かかるでしょう。
カーポート・駐車場波板の張替え料金相場
カーポートや駐車場の屋根の波板張り替えの相場もベランダ・テラスの場合とあまり変わりません。
面積にもよりますが、10万円程度で収まる場合が多いようです。足場などの別途費用をかけずに施工できるという点を考えると、総額もわかりやすいかと思います。
いずれの場合も張り替える場所の環境や屋根の形状、下地の状態によって金額は変動します。予算を検討するには詳細な見積もりを出して貰うことが必要でしょう。
波板張り替え業者に依頼する方法
波板交換の見積書
波板の交換を依頼する場合、
- リフォーム業者
- 工務店
- 板金工事業者
などが主な依頼先となります。
リフォーム業者や工務店などは工程管理の段取りや付随する工事の手配など、総合的にお任せできるという利点があります。
一方で、波板の工事自体は下請けの板金業者に依頼する場合が多く、その場合は中間マージンがかかってしまい割高になります。
地域の板金工事業者に直接依頼できるのであれば、割安に工事の依頼ができる可能性が高いです。
まずは現場(工事個所)を見てもらって見積書を作成してもらいましょう。
その際、他のリフォーム工事と同様に数社に見積もりを依頼する「相見積もり」が有効です。
不当な高額で契約してしまうことを防ぐことができる他、工事の説明が丁寧か、こちらの要望を親身に聞いてくれるかなどの信頼性も比較することができるでしょう。
波板交換の流れ
- 業者への問い合わせ
- 現地調査・打ち合わせ
- 見積もり書の受け取り・検討
- 契約・工事日の決定
- 養生・工事
- 確認・引き渡し
相見積もりをとるには①~②を数件分行う必要がありますが、適切な金額や質の高い工事を行ってもらうには必要であると思われます。
その際、自分の求める品質(材質)などの要望を伝え、内容を詰めていくことも大切です。
波板交換は1日で終わることも多いですが、工事の難易度によっては1日で収まらない場合もあります。
工期も確認しておきましょう。
波板交換をdiyで行う方法
波板の材料費
波板のおおよその単価をまとめてみました。
ポリカーボネート | ≒¥1,600~3,000/枚 |
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ガルバリウム鋼板 | ≒¥2,000~4,000/枚 |
塩化ビニル樹脂 | ≒¥1,000~1,200/枚 |
ガラスネット | ≒¥1,800~2,100/枚 |
波板の交換に関してかかる材料費というと、波板本体とフックボルト・釘などの留め具くらいです。
留め具の費用は波板本体に比べれば少額ですが、数個入りの袋買いなどでは割高なので、余ったとしても箱買い(100個入りなど)で購入する方が良いかもしれません。
その場合、ネットショップでは\3,000前後が相場のようです。
波板の交換方法
準備する工具
- 波板本体
- 留め具(フックボルト・釘など)
- はさみ
- 波板キリ(+電動ドライバー)
- のこぎり
- 赤マジックなどの油性ペン
- 脚立、歩み板などの足場材
波板の材質によって必要工具も変わってきます。
波板本体も含め、基本ホームセンターでも購入が可能なので、工具の選択に迷ったらお店のスタッフに相談してみるのも良いでしょう。
波板用のキリは、手回し用のものと電動ドライバーに取り付けて使用するものがあります。
後者の場合、電動ドライバーも用意する必要が有り、持っていない場合は費用がかさむでしょう。
そのかわり、作業能率は飛躍的に上がります。
交換手順
- 既存の波板の張り方を確認する : 長さ・幅・枚数・配置・重ね幅・フックやビスの位置など、既存に合わせられると手間も減り、キレイに張れる
- 既存の波板を撤去する
- 波板をカットする : 専用のはさみやのこぎりを使用
- 波板に穴をあける : 専用のキリを使用。5~6山ごとに「山」の部分で穴を開ける。赤マジックで印をつけておくと安心
- 波板を張る : 継ぎ目を3山程度重ねる
- ボルトフックや専用釘などで固定する
- 横幅の余分な波板をカットする
重要なのは「波板の張り替えは既存と同じ状態に取り付けを行う」ということです。
既存の波板を剥がしてしまう前に「波板の長さ・幅・枚数、フックまたはビスの位置、重ね幅」を確認・記録しておくのを忘れないようにしましょう。
波板のボルトフックや釘を取り付ける場所(下地)がサビや腐食などで痛んでいる場合、穴の位置の変更や下地の補修などが必要になります。
それらが難しい場合は専門業者に依頼した方が良いかもしれません。
コーナンで波板張替えの依頼は可能?
ホームセンター「コーナン」では店舗・通販サイト共に各種波板を販売しています。
また、リフォームページではカーポートやテラス・デッキのリフォームがカテゴリとして紹介されていますが、波板の交換に関しては明記が見つけられませんでした。
また通販サイト「コーナンeショップ」内でも、取付工事を受け付けている商品に付いている「取付工事アイコン」が波板には表示がありませんでした。
メールフォームやフリーダイヤルで問い合わせは可能なので、最寄りの店舗で依頼できるか聞いてみるのが良さそうです。
「波板 交換」を検索する人がよく思う質問4選
まとめ:まずは無料見積もりで比較を!
カーポートやバルコニーなどの波板を交換する方法や費用について紹介してきました。
材料も入手しやすく、自分でも交換可能ということから、DIYに積極的な人には気軽に交換しやすい建材である一方、少なからず高所作業になるため、不安を感じた場合は業者に依頼すると良いでしょう。
付き合いのある工務店や施工業者がいない場合でも、ネットで業者を探すこともできます。
基本、見積もりは無料ですので、何件か見積もりを依頼(相見積もり)してじっくり比較してみましょう。