入浴剤の成分として人気の高い「塩化マグネシウム」ですが、一方で風呂釜が痛むという情報も流れています。
風呂釜をはじめとした浴室の設備は決して安い物ではありません。
故障や破損などした場合は損害も大きいですから、適切な使用法を知っておきたいところです。
このページでは塩化マグネシウムの効用や風呂釜に与える影響、注意点などを紹介していきます。
塩化マグネシウムは風呂釜が痛む?
塩化マグネシウム(MgCl₂)とはマグネシウムの種類のひとつです。
豆腐を固める際に使われる「にがり」の主成分としても知られています。
にがりは海水を煮詰めて精製し、塩(食卓塩)を取り除いたものですが、マグネシウム入浴剤の成分として使用されていることもあります。
そんな塩化マグネシウムと風呂釜との関係を確認していきましょう。
塩化マグネシウムは風呂釜が痛む理由
塩化マグネシウムを成分とした入浴剤は、風呂釜を痛める原因になるとの指摘があります。
長期の使用で金属部分にサビや劣化などを引き起こす可能性があり、風呂釜の他、栓をつなぐ鎖などへの影響にも注意が必要です。
ただし、風呂釜の材質によっては影響が無く問題なく使用できる場合もあります。
風呂釜の説明書を確認して塩化マグネシウムが使用できるか否かをチェックすることができれば、安心して使用できます。
塩化マグネシウムとサビの関係
サビ(酸化)とは水に金属のイオンが溶け出すことで発生し、イオンの溶けやすさイコールサビやすさとなります。
サビ自体は金属と水、酸素が反応することで発生してしまいますが、酸化しやすい物質が混ざることでサビの発生を促進してしまいます。
マグネシウムはナトリウムほどではありませんがで酸化しやすい物質なので、長時間水に触れるほど、金属のサビを促す存在になり得るというわけです。
バスソルトを入れて追い焚きしてしまったらどうなる?
「バスソルト」というと塩分が入っているものと考えがちですが、入浴剤として広義的に使用されている感があり、その成分も製品によって様々です。
そのことを踏まえて、バスソルトと追い炊きについて考えてみましょう。
追い焚きをすると故障する?
浴槽のお湯を沸かしなおせる機能「追い炊き」は、水道料やガス代の節約につながる便利な機能です。
浴槽に貯められた水(お湯)を浴槽・風呂釜の配管に循環させて温める仕組みなのですが、バスソルトを含んだ水を風呂釜の配管に通したときに損傷・故障のリスクがあると言われています。
特に、塩化マグネシウムを含んだバスソルトは風呂釜の故障の危険性が高いです。
また、長時間風呂釜に入れっぱなしにしておくと、風呂釜を痛める可能性が上がってしまいます。
もし使用している風呂釜に推奨されない種類のバスソルトを使用したお湯で追い炊きをしてしまった場合は、すみやかに排水し、風呂釜をシャワーで洗い流した後、浴槽にお湯を張り、再度追い炊きをして配管を流しましょう。
ニチガの塩化マグネシウムは追い焚き可能?
国産塩化マグネシウムのバスソルトを販売している日本ガーリック株式会社(ニチガ)。
公式ページ内、塩化マグネシウムの商品紹介ページには、追い炊きに関する記載がありませんでしたが、メーカーに電話をして「追い炊き可能」という回答をもらったという方がいました。
精製度が高く、ナトリウム(塩)を含んでいないというのがその理由のようです。
ただし、入浴剤を入れたお湯での追い炊きを推奨していない風呂釜や浴槽では使用不可ということです。
風呂釜の製造メーカーへの問い合わせや説明書の確認は必要ということでしょう。
私が購入したこちら↓の塩化マグネシウムの製造元、
NICHIGAさんに電話で問い合わせしてみましたよ
質問①追い炊きはしていいのですか?
塩は入ってないので、追い炊きしていただいても大丈夫です。
ただ、浴槽によっては入浴剤自体がNGの物もあるので、ご心配ならメーカーに直接お問い合わせください。
という事で、
引用:ameblo
追い炊き、風呂釜への心配はいらないそうですね
ただ、これはNICHIGAの塩化マグネシウムの場合になります。
塩化マグネシウム風呂とは?
塩化マグネシウム風呂の効能
筋肉の緊張を和らげる
筋肉の緊張が和らぐことで、肩こりや腰痛などの筋肉の痛みや運動後の筋肉の疲労を緩和するなどの効果があるとされています。
体を芯から温める
冷え性の緩和やリラックス効果なども期待できます。また、そのままのお湯で入浴する場合に比べて汗をよくかけるので、代謝の向上にもつながるようです。
保湿効果
塩化マグネシウムは皮膚から吸収でき、保湿効果とターンオーバーを整える効果が期待できるため、乾燥肌や肌荒れを改善することから、美肌効果があるとされています。
抗炎症作用
肌の炎症に悩む人にも良い効果が期待できます。
塩化マグネシウム風呂は毎日入って問題ないのか
いいことずくめのような塩化マグネシウム風呂ですが、効果が高い分注意しなければならない点もあります。
腎臓が悪い人が入ると高マグネシウム血症というリスクが存在する他、肌に合わない人もいるようです。
また、発汗作用が強いため、入り過ぎると脱水の恐れもあります。
こういった例も含め、塩化マグネシウムのお風呂に毎日入ることは体の負担が大きい可能性もあります。
週2~3回を目安に試してみて、体調に合わせて回数を調整すると良いかもしれません。
塩化マグネシウムは皮膚から体内へ吸収され、不足したマグネシウムを補うことができます。
その際、過剰に摂取されたマグネシウムは通常、尿となって体外へ排泄されるのですが、腎臓の機能が低下している場合、余分なマグネシウムは上手く排泄できず、体に蓄積されてしまいます。
それによって引き起こされるのが高マグネシウム血症です。
塩化マグネシウムの入浴剤とは?
塩化マグネシウム入浴剤の使い方
適切な使用方法を確認してみましょう。
- 適量を守る
- お湯に良く溶かし、すみやかに入浴する
- 入浴後、すぐに排水する
※1 適量は後述しています。
塩化マグネシウムは入浴剤の中では比較的お湯に溶けにくいので、よく混ぜてから入浴しましょう。
これによって浴槽や排水口への付着も防ぐことができ、それらを痛めるリスクを軽減できます。
入浴剤や風呂釜・浴槽の種類によりますが、一般的に塩化マグネシウムが高温になると風呂釜に負担をかける可能性が有ります。
使用される商品の説明を確認できなければ、お湯を長時間張ったままにしたり、追い炊きすることは避けた方が無難です。
塩化マグネシウム入浴剤の量
塩化マグネシウムを入浴時に入れる場合、180~200リットルのお湯に対し15~50グラムが適量と言われています。
前述のような体の負担を考慮すると、最初は最小の15グラムから試してみるのが得策でしょう。
チェックすべきは、
- 温まり過ぎてのぼせていないか
- かゆみや湿疹などの皮膚のトラブルが出ていないか
など、体調の変化に気を付けてみてください。
塩化マグネシウム風呂のメリット
塩化マグネシウム風呂のメリットは、ここまでで紹介してきたように様々な効用があることです。
要約すると、
- 疲労回復効果
- 血行促進効果
- 美肌効果
- 抗炎症効果
- 冷え性改善効果
といった効用があるとされています。
他にも、リラックス効果を取り上げられている記事も見受けられます。
睡眠の質を向上させ、深い眠りに入りやすくするというもので、睡眠の質に不安を感じている人におすすめです。
塩化マグネシウム風呂のデメリット
風呂釜が痛む可能性
商品によって違うようですが、風呂釜が痛むという不安が存在します。
入浴剤の説明内容と風呂釜の説明書をよく確認して、適切な使用法を守りましょう。
それらの詳細が見られない場合は、頻繁に使用しない方が良いかもしれません。
脱水症状
汗をよくかくという特性上、脱水症状になる恐れがあります。
入浴前と入浴後に十分な水分補給を行いましょう。
また、お湯の温度を上げ過ぎないように38~40℃くらいの適温で入浴してください。
腎臓の悪い人に悪影響
塩化マグネシウムを過剰摂取した場合、尿となって排泄されるのですが、腎臓の機能が低下しているとそれが上手くできず、蓄積されたマグネシウムによって「高マグネシウム血症」を引き起こす可能性があります。
家族内に腎臓が悪い人がいる場合は、使用前に医師に相談した方が良さそうです。
「塩化マグネシウム 風呂釜 痛む」を検索する人がよく思う質問4選
まとめ:塩化マグネシウムは使い方に注意を!
ここまで、塩化マグネシウムの入浴剤について紹介してきました。
塩化マグネシウムの入浴剤には多くの体へのメリットがありました。
一方で加減を間違えると体の負担になってしまう他、風呂釜や浴槽へのデメリットとなってしまうことも。
効きの良い薬が使用法を間違えると体に悪影響となるのと同様に、有効成分となる塩化マグネシウムも適切な使用が大事ということです。
製品の説明・注意書きをしっかりと読み、正しい使用法を守れば、塩化マグネシウムは健康な毎日の助けとなってくれるはずです。