障子といえば和室を象徴し、趣を感じさせる重要なパーツのひとつです。
ただし、その一方で非常に破れやすかったり、経年でパリパリになってしまったりと頑丈さとは対極にあり、メンテナンスが欠かせないものでもあります。
そのため、和室の障子を他の何かに変えることはできないかと考えている方も多いでしょう。
このページでは、障子の代わりになる便利なアイテムや取り替え方法などにスポットをあてて紹介していきたいと思います。
和室の障子をやめたいときは?
破れやすい上に貼り替えが難しい、そんな理由から和室の障子をやめたいと考えた場合に、どんな商品・方法があるか、その一例を挙げてみます。
障子枠を外し、代わりの戸(建具)を設置する
和室を連想するものとして、障子の他に襖も存在します。
障子の代わりに引き違い戸(建具)を設置することで、和のイメージはそのままに破れ・貼り替えの手間から解放されます。
障子枠のみ使用、障子紙を剥がして使用する
リスクのもとである障子紙を障子枠から剥がしてしまう方法です。
そして、障子紙の代わりに「破れない(破れにくい)素材の代替品を貼りなおします。
極論ではありますが、廊下や隣の部屋からに視界が気にならない環境であれば、何も貼らずに使用するという方法も有効と言えます。
障子をやめる場合のメリット
破れの補修・貼り替えなどの定期的なメンテナンスから解放される。
障子は定期的に貼り替えることを前提に貼られているものです。
うっかり破ってしまったりせず大事に使用していても、経年で脆くなり破れやすくなっていきます。
そんな危うさやメンテナンスの手間が無くなるのは、忙しい方にとって大きなメリットと言えるのではないでしょうか。
障子をやめる場合のデメリット
採光が取れず、室内が暗くなる(建具などに代える場合)
光を取り入れられるのが障子のメリットのひとつです。
逆に言うと、障子以外のものに変えることで、今までの採光が取れず、部屋の中が暗くなってしまう可能性が高くなります。
賃貸物件であった場合、原状回復に手間がかかる。
賃貸物件は原状回復義務があるので、退去時には障子・枠ともに復旧が必要となります。
別な枠に取り換えた場合など、既存の障子枠を処分するわけにいかず、収納場所に余裕が無いと大変邪魔になるでしょう。
障子の代わりになるアイテム
障子の代用を考えた場合、方法を大きく分けると「障子枠をそのまま使用する」か「障子枠を撤去する」ということになります。
工事の難易度や予算も違ってきますので、自分の希望するイメージと照らし合わせて検討しましょう。
布
扱いやすく、耐久性も高い「布」に貼り替えることにより、破れやすさという悩みは解消されるでしょう。
厚みにもよりますが、ある程度光も取り込めます。
材料としては、布自体と布用の糊だけですので、自分で貼り替えるのであればかなり低予算ですみます。
断熱シート
断熱シートを貼れば、破れやすさを解消した上で断熱性も高めることができます。
ただし、通常の断熱シートはデザイン性などは低いものが多く、見栄えは障子より劣りますし、光も遮るので部屋は暗くなるでしょう。
見栄えも気にしたいのであれば、「障子断熱シート」という障子紙のイメージを損なわない商品もあるので、それを検討しましょう。
予算や手間は布と大差ないでしょう。
カーテン
カーテンといえば洋風のイメージが強いですが、シンプルで彩度の低い(あざやかすぎない)ものをセレクトすれば、違和感なく障子の代わりとすることができます。
障子枠を外し、建枠にカーテンレールなどを取り付けることで、カーテンを掛けることができます。
カーテンには機能性が付加されているものも多いです。
「遮光」や「断熱」などの機能を持ったカーテンを選ぶことで、障子のときより自分好みの快適な居住空間にすることも可能です。
前述2つに比べれば費用は多めです。
ブラインド・ロールスクリーン
カーテンと同様、ブラインドやロールスクリーンなども障子枠を外したあとの建枠に取付が可能です。カーテンよりもすっきりとした印象を与えられるでしょう。
バリエーションも、和室にぴったりな木や和紙・不織布なども有り、一方でアクリル等のメンテナンスが容易でコストパフォーマンスに長けたものまで幅広く存在するため、デザインの幅も広がります。
最近のものは付属の説明書を読んで自分で取り付けられるものも多いので、予算もカーテンより少々高くつく程度と思われます。
建具
気密性やプライバシーを考えた場合は、障子枠を外し同サイズの建具(戸・ドア)に入れ替えるのがベターです。
耐久性も前述したものより格段に高く、メンテナンスの機会は少ないでしょう。
また、オーダーメイドにすれば和・洋どちらに寄せることも可能で、自分の希望に合わせた室内にすることができます。
ただし、オーダーメイドにしても、既製品を付けるにしても、DIYで取付を行うのは難しいです。施工業者に製作・取付を依頼するほうが間違いないと思います。
ここで紹介したものの中では最も費用がかかるでしょう。
100均で障子紙の代わりになるものはある?
生活必需品からホビーまで幅広く取りそろえる「100円ショップ(100均)」。工夫次第で障子紙の代わりにできるものも色々ありそうです。
ダイソーで購入した布(はぎれ)やテーブルクロスと布用両面テープを使用して障子紙を貼り替えた体験談をブログで公開されている方がいました。
写真で見ると、障子紙と違いが分からないレベル。薄いハギレを使っているので、風通しもバッチリで、きちんと光も入ってきてくれます!
下の部分に花柄のテーブルクロスを使ったのが大正解!光が当たると、綺麗に花柄が浮き上がり、アクセントになってとってもいい感じです。
引用:かーりー/遊牧ちゃんねる
ちなみに、単純に障子紙を貼り替えたい場合でも、障子紙や専用のりなどを100均で購入可能です。
障子の代わりにアクリルを使う方法は?
「障子紙の雰囲気は好きだけど、破れるのはちょっと…」という方には、和紙のような風合いのアクリル障子紙がおすすめです。
ワーロン社が販売しているアクリワーロンシリーズは、和紙のような意匠と耐候性・耐久性を兼ね備えた商品で、店舗の内装などでも使用されるクオリティがあります。
ネットショップでも購入可能なので、仕上がりにこだわりたい方は検索してみるのも良いでしょう。
他にも、障子紙からの貼り替えに特化した、両面テープ付きのプラスチック障子紙や、ホームセンターなどでも販売されている養生材「プラダンシート」を貼るという方法もあります。ご自分の予算と照らし合わせて検討してみましょう。
障子をやめた和室のリフォーム例
ここまでに取り上げた方法から、また違ったアプローチのものまで、和室の障子をやめた例をSNSから見つけました。
和室の障子をブラインドに変更したらだいぶオシャンティな感じになったぞ😎
— アンドレ日本 (@andorejap) May 27, 2020
どちらのサイズもニトリで3000円しないくらいで買えます😆
(散らかってるなぁ…)
反対側が押入れなんだけど、襖から折れ戸に変えるっていうリフォームもあるらしい事を知ったのでワクワクしてる😊 pic.twitter.com/SR3NYlMnSX
ただいま工事中のマンションリフォーム、完成しました。
— エコリフォーム (@ecoreform) July 31, 2019
和室から洋室にリフォームしたこちらのお部屋、窓にご注目。
和室の障子をそのまま再利用?
いえ、障子風のインナーサッシなんです!
和紙調のガラスが入っているんだそうですよ。https://t.co/KN6Mv6PMo9 pic.twitter.com/MoXbfLdWqO
和室完成!
— SHOGO®︎ (@SHOGO41803952) February 11, 2019
障子の代わりに浴衣入れた!採光もバッチリ👍
ウエスタンレッドシダーの低い天井最高!
伊勢神宮の内宮杉で作った座卓もいい感じ!
なかなかないでしょ!
家具製作や浴衣や着物の建具家具製作に興味ありましたら気軽にご連絡下さい!
#住宅#リフォーム#神社#家具#着物#浴衣#障子 pic.twitter.com/V1uThwFixd
障子を撤去して洋室風にする人や障子の雰囲気のまま機能性を上げる人、さらには障子紙の代わりに建材ではないものを利用してアーティスティックに仕上げる人など。「方法」というより、「可能性」を考えさせられるリフォーム例たちです。
「和室 障子やめたい」を検索する人がよく思う質問4選
まとめ:和室に合ったオシャレなアイテムを見つけよう!
近年、和室は敬遠されがちで、中古物件やアパート・マンションでも和室をリフォームされていることが多くなってきています。
そんな中で、和室の中でもメンテナンス要素が強いであろう障子をなんとかしたいという意見はネット上にもたくさんありました。
このページで紹介してきた基本的なリフォーム方法の他、型にはまらない自分だけの方法でイメージチェンジを行っている人もSNSやブログなどで多数見つけられます。
和室のリフォームは、アイデア次第で様々な可能性があると思います。
自分の求めるオシャレなアイテムを見つけて、理想の部屋を作ってみてください。