夏には必須になる住宅の網戸ですが、経年劣化で網に穴が開いたり裂けたりするのは避けられません。
ですが、いざ網戸を交換しようとしたとき(もしくは網を張替えようとしたとき)に「外れなかった」という事例が多いようです。
ここでは、20年前くらいの網戸を外す方法について説明していこうと思います。
20年前の網戸が外れないのはなぜ?
20年も経つと、外れない要因はいろいろ考えられます。可能性の高い要因を挙げてみます。
戸車の不具合
戸車の歪みや破損が原因の場合は外すことはおろか、動かすことも難しいかもしれません。
戸車の高さ調整で治る場合もありますが、壊れている場合は交換が必要になります。
レール・戸車の汚れ
レールや戸車にゴミ・ホコリが詰まっていると、徐々に戸が動かなくなってきます。
それらを取り除いて動くようになれば、外れる可能性もあります。
また、レールにサビが発生すると、固くなり動かなくなる場合もあります。
外れ止めの高さ
年数を経ることで外れ止めの高さが合わなくなっていることも考えられます。高さ調整をできる余地があれば、外すこともできるかもしれません。
レール・窓枠の歪み
レールが曲がっていたり窓枠に歪みがあったりすると網戸が圧迫され、外れなくなってしまいます。
多少の歪みだけでも、スムーズに開かなくなります。
簡単に直せない歪みの場合はサッシ業者に依頼することになります。
20年前の窓・網戸の種類は?
20年前にも、窓の種類は色々ありました。窓の種類が色々存在するということは、同時に網戸にもいろいろな形状があるということです。
窓の種類から、ご自宅に該当するものはどれか、確認してみてください。
引違い窓
引違い窓とは2枚以上の窓をレール上で水平に移動し開け閉めするもので、住宅の古い窓としては最もオーソドックスな種類にあたります。
引違い窓に付いている網戸も同様に別なレールで水平に動きます。不意に外れやすい形状であるため、落下防止として網戸上部に外れ止が付いていることが多いです。
上げ下げ窓
2枚のガラス窓が上下に並び、下の窓が上にスライドして開く構造になっているのが上げ下げ窓です。昭和以前の建物にも多く使われていたレトロな構造です。
20年程度前の上げ下げ窓の網戸は、左側の上下に外れ止めが付いているのが一般的です。
滑り出し窓
窓枠の1辺を軸にして、外側に滑り出すように開ける窓を滑り出し窓と呼びます。縦方向を軸にする(ドアの様に開く)縦滑り出し窓と、上部の辺を軸にして下を押し出すように開く横滑り出し窓があります。
滑り出し窓の網戸は、引き違い窓などと異なり室内側に有ります。また、窓が干渉するため窓を閉めた状態でないと網戸が外せません。更には網を枠にはめ込む形状のものもあり、形を選定するたけでも苦労するでしょう。
内倒し窓
窓上部が室内側に倒れてくる窓が内倒し窓です。浴室やキッチンなどに多く設置され、視界をオープンにせず換気ができる構造です。
内倒し窓への網戸の設置は困難な場合も多く、付いている場合も屋外側で取外しも難しい場合が多いです(特に2階以上の場合)。
ルーバー窓
複数枚の細長いガラスやアクリル板が並び、ハンドルを回すことでその隙間を開閉させられる(ブラインドの開閉に近いです)窓がルーバー窓です。
ルーバー窓の網戸は室内側にあります。窓を閉めた状態の方が外しやすいでしょう。
また、20年前当時の網戸の流行として、以下のものも多くありました。
- 折り畳み(プリーツ)式
- 縦引きor横引きの巻取り(ロール)式(巻取りボックス付き)
引き違い窓や内倒し窓以外はこういった形状の網戸である場合も多いです。これらの形状のものはサッシから独立して、枠ごと両面テープで取付されています。
20年前の外せない網戸の対処法
網戸の外し方・手順
- 網戸のいずれかに付いている「外れ止め」を確認します。外れ止めは網戸の落下を防止するものなので、これが効いているいると網戸は外れません。
- 外れ止めを緩めます。ビスで固定されていると思いますので、それをドライバーで緩めましょう。
- 網戸を上に持ち上げ、下のレールから外した後、上のレールから外します(落下に注意)。
以上が一般的な「引き違い窓」の場合の取り外し方です。この流れが、トラブルなくスムーズに外せるパターンとなります。
外れ止めのビスが見つからない場合は、見た目に考慮してビスを隠すフタが付いていることが考えられます。不自然なフタの部分を剥がしてみましょう。
あまり一般的ではない引き違い窓以外の網戸では、外れ止めがツマミであったり、上げ下げできるストッパーであったりします。汚れがつまって動かない場合など、無理に力をかけてケガをしないよう注意しましょう。
前項で紹介した折り畳み式や巻取り式の網戸の場合、枠・レールごと両面テープを剥がす、またはビスを外して取り外す形です。両面テープの場合、結構粘着力の強いテープを使用しているので、破損の可能性もあります。
網戸を外す際の注意点
網戸を外す際はまず落下や転落に注意しましょう。特に屋外側に網戸が付いている場合は、脚立などを使用しての高所作業になったり、室内で作業する場合でも窓から身を乗り出しての作業になったりします。
外すタイミングでバランスを崩すことも考えられます。あまり無理な体制で作業しないようにしましょう。
また、古いサッシはアルミ製であることが多く、角が鋭利になっているものが多いです。切り傷など不意に指を痛めることも考えられますので、可能なら素手を避け、滑り止め付きの手袋などを着用して作業するようにしましょう。
外せない網戸の張替え方法
外れ止めが緩められない・緩めても網戸が持ち上がらないなど、ここまで紹介した情報やメーカーのサイトでの情報をもっても外せない場合、専門業者に依頼した方が良いでしょう。
網戸のフレームを分解し、窓を採寸してフレームごと新しい網戸を製作することも、サッシ専門業者ならば簡単にできます。
網戸の外れ止めが古い場合
網戸の外れ止めが外れない原因
網戸を外すための外れ止めが「外れない」ということが、20年も経った古いサッシではあり得ます。
例えば、網戸の開け閉めを繰り返しているうちに、外れ止めが本来の位置からずれてしまう場合があります。そうして位置が浮き上がってしまうと、動きが悪くなり、最後には動かなくなり、そして外れなくなります。
そういったことが無くても、単純に汚れが蓄積して動かなくなることも多いです。
古い網戸の外れ止めを外す方法
外れ止めを外すためには、まず緩めなければいけないので、外れ止めに付いているビスを緩め、外すことが必要です。
ビスが回りにくい場合や、ビスを回しても外れ止めが動かない場合は、周辺をブラシを使って水洗いしてみましょう。固まった汚れが落ちて回りやすく(動きやすく)なるかもしれません。
どうしても緩まない・外れない場合は、最悪フレームにダメージがないように慎重に壊すしかないかもしれません。
外れ止めは樹脂製のものも多く、経年劣化で壊れやすくなりますし、外れ止め単品でネットや業者から購入できるものも多いです。
20年前の網戸を動きにくくしないためのメンテナンス
網戸の動きが悪くならないために気を使いたいことは、まずサッシの清掃をこまめに行うことです。
窓は外気に触れる過酷な環境で使用しているので、自然にほこりや砂・土、さらには虫などが付着し、蓄積していきます。それらがサッシのレールにたまっていくと網戸の動きの妨げになりますし、外れ止めに溜るとビスを緩めても動かないということになります。
窓回りを清掃するのに便利なブラシなどもホームセンターなどで販売していますので、たまに水洗いすることをこころがけましょう(サビる部分があるかもしれないので、から拭きも行いましょう)。
他には、網戸の戸車のメンテナンスもおすすめです。
戸車に潤滑剤を塗布することで滑り改善できます。また、戸車の傷みが激しい場合は戸車自体を交換することで、動きを復活させられます。対応するメーカーや部品がわかれば、ネット等で自分で購入し、取り換えることも可能です。
「20年前の網戸 外れない」を検索する人がよく思う質問4選
まとめ:古い網戸の外し方を知って適切に取り外そう
古い網戸といっても、基本はメーカーの既製品であることが多いので、外し方は存在します。基本的には、「どこに外れ止めがあるか」と「外れ止めをどう緩めるか」だと思います。
外れ止めを緩めても外れてくる気配が無い場合は、レールや外れ止めを清掃してみましょう。
それでも外れない場合は、何らかの理由で窓枠が変形している可能性があります。そういった場合はおつきあいのある工務店や地元のサッシ(鋼製建具)専門業者に相談してみましょう。
サッシを一式交換するとなると、なかなか高価なのですが、網戸の交換だけですと比較的安価です。自分で外そうと無理をして、ケガをしてしまうくらいなら、業者に相談して見積もりをもらってみてはいかがでしょうか。