既存のサッシに後付けで内窓を取り付ける「二重窓化」は、窓の取り替えなどに比べて比較的工事費も抑えられる上、断熱・防音などの性能も向上する人気のリフォームです。
二重窓の取り付けにに補助金が適用されて、金額的な負担を減らすことが出来たらありがたいですよね。
ここでは、2024年現在の二重窓サッシリフォームに利用できる補助金について掘り下げていきたいと思います。
二重窓の補助金はいくら?【2024年】
2024年の二重窓における補助金
二重窓のリフォームに利用できる補助金としては、
- 先進的窓リノベ2024事業
- 子育てエコホーム支援事業
- 既存住宅における断熱リフォーム支援事業
などの制度が存在します。
先進的窓リノベ2024事業
1台の窓に対し、ガラスの仕様やサイズによって¥23,000~112,000の補助額が設定されており、省エネ性能の高い二重窓(Low-E複層ガラス等)が対象になります。補助金還元額が最大200万円と、非常に高額に設定されているのも大きな特徴です。
子育てエコホーム支援事業
1台の窓に対し¥15,000~23,000の補助額が設定されています(省エネ性能の基準である「ZEH」レベルの場合¥20,000~31,000/台になります)。
ガラスの仕様・サイズの他、施工する地域によっても対象商品が変わる場合があります。
既存住宅における断熱リフォーム支援事業
戸建ての場合は費用の1/3以下かつ上限120万円、集合住宅の場合は費用の1/3以下かつ上限15万円と定められています。募集期間が2~3カ月ごとに区切られているので、公式ページで募集状況を確認した方が良いでしょう。
窓1枚あたりの補助金
「先進的窓リノベ2024事業」を例として挙げると、二重窓の設置に出る補助金額は窓の性能とサイズによって決まっています。
単純に言うと「高性能」で「大きい」窓ほど補助金の額が大きくなります。
各製品によって性能区分が定義されているので、工事のプランを打ち合わせする段階で確認しておくと安心でしょう。
窓の性能区分/熱貫流率 | 大(面積2.8㎡以上) | 中(面積1.6㎡以上2.8㎡未満) | 小(面積0.2㎡以上1.6㎡未満) | 極小(面積0.2㎡未満) |
---|---|---|---|---|
P(SS)/ 1.1以下 | \112,000 | \76,000 | \48,000 | \48,000 |
S/ 1.5以下 | \68,000 | \46,000 | \29,000 | \29,000 |
A/ 1.9以下 | \52,000 | \36,000 | \23,000 | \23,000 |
B/ 2.3以下 | \0 | \0 | \0 | \0 |
なお、1回の工事あたりの適用額が\50,000を下回ると申請ができません。小サイズ・性能区分Aの窓を2箇所設置しても\46,000にしかならず、補助金の対象にはならないということです。
二重窓における補助金の申請方法
二重窓の補助金の申請は工事を依頼する「発注者」が行うのではなく、工事業者が行わなければならないという決まりがあります。また、施工を行う工事業者がそれぞれの補助金制度に対応事業者として登録している必要があります。
なので、発注者である家主ができることは、工事業者との打ち合わせにおいて補助金適用の依頼・確認を行うことです。補助金の受領も、工事業者を通して行われます。
二重窓の補助金を利用する場合の自己負担額は?
前述したように二重窓に適用される補助金額は窓のサイズとグレードによって決まります。
実際のサッシの販売価格は関係ないので、逆に言うとサッシの価格・工事費が安ければ自己負担額が減るということです。
一般的には材料費と工事費の50%程度は補助金でまかなえると言われています。場合によってはほとんど自己負担が無く工事ができることもあるようです。業者との打ち合わせで良く確認しましょう。
二重窓における補助金のグレードは?
二重窓のグレードとは、先の表に記載したP~Bの「窓の性能区分」のことで、熱貫流率によって4段階に区分されています。
熱貫流率とは、窓や壁などへの熱の伝わりやすさを表す数値で、その数値(U値)が低いほど、性能が高いということになります。
各サッシ・ガラスごとに熱貫流率は設定されており、4段階のうち一番性能の低い「B」では補助金の対象にならないので注意が必要です。
二重窓の補助金はいつまで?
各事業の公式ページで募集期間が公開されています。
申請期間:2023年11月2日~2024年12月31日工事完了分まで(予算が上限に達した場合、その時点で終了)
申請期間:2024年4月2日~予算上限に達するまで
申請期間:2024年9月2日~2024年12月13日(予算が上限に達した場合、その時点で終了)
いずれの補助金も事業ごとの予算が設定されており、決められた期限の前でも予算上限に達するとそこで事業終了となります。
それぞれの公式ページでは「予算に対する補助金申請額の割合」が毎日更新で表記されているので、検討している方はまめに確認しておきましょう。
※「既存住宅における断熱リフォーム支援事業」の場合は年内においても公募期間を数回に分けていますので注意が必要です。
二重窓における地方自治体の補助金
ここまでに紹介してきた全国対応の補助金の他にも、各地方自治体が独自に行っている補助金制度も存在します。その一例を紹介していきましょう。
「東京都」2024年二重窓の補助金
高断熱窓・高断熱ドアなどの「断熱の改修」や「蓄電池」に対しての助成事業です。
- 申請期間:令和4年度~令和6年度(令和7年3月31日)
- 助成率:高断熱窓の場合、1/3
- 上限額:100万円/戸
- 条件:1つ以上の居室において全ての窓に高断熱窓の設置が必要
「埼玉県」2024年二重窓の補助金
埼玉県として実施している二重窓に関わる補助金制度は存在しませんでした。
各市町村で実施している補助金制度としては、さいたま市の「さいたま市勤労者支援資金融資(住宅資金)」をはじめ、窓の断熱化が支援分類に含まれるものが存在します。
「神奈川県」2024年二重窓の補助金
神奈川県の「令和6年度神奈川県既存住宅省エネ改修事業費補助金」は、窓の改修を中心とした省エネ化の工事に適用される補助金制度
補助対象経費の3分の1又は20万円のいずれか低い額を上限としていましたが、申請額が予算額に達し、令和6年8月29日で受付を終了しています。
「大阪府」2024年二重窓の補助金
大阪府として二重窓に対しての補助金は存在しませんでした。大阪市の「大阪市住宅省エネ改修促進事業」など、各市町村では二重窓(内窓)に対応する補助金制度は存在します。
自分の住む地方で実施されている補助金制度を調べるには「(自治体名) 二重窓 補助金」といったキーワードで検索する方法の他、各地方の支援制度を検索できるサイトも存在します。
地方公共団体における住宅リフォームに係わる支援制度検索サイト
二重窓にするメリット
二重窓の効果
既存の窓を二重窓化すると、断熱効果がアップします。最も効果を実感するのは寒い冬場です。冷気が入りにくくなり暖房の効果がアップ、結露も軽減されるなど、かなり快適になることでしょう。
もちろん、夏の暑さや湿度にも有効で、エアコンにかかる光熱費の削減も期待できます。
他にも、防音性能が上がる・紫外線をカットできるなどの恩恵もあります。
二重窓の補助金と費用対効果
先に紹介したように二重窓の補助金はグレードごとに決められた額があります。
結論から言うと断熱効果が高く、補助金額も高い「Sグレード」が最も費用対効果が高いと言えます。
AグレードはSグレードに比べ、価格差以上に断熱効果に差が有ります。商品の価格差は少ないのに、補助額の差は大きいので、ケチってAグレードを選んでもお得感は無いでしょう。
なお、SSグレードを適用させるにはガラスを真空ガラスにする必要が有ります。
そのためにはリクシルのサッシ(インプラス)にNSG(日本板ガラス)のガラス(スペーシアクール)を組み合わせなければならず、相応のコストもかかります。
自費が多くなっても最高級の断熱性能を求める方向けです。
二重窓の補助金を利用する場合の注意点
できるだけ安く(適正価格で)施工してくれる業者を選ぶこと
特に、「先進的窓リノベ事業」はサッシのサイズとグレードで補助金額が決まるので、業者の施工費が安いほど依頼者が払う(持ち出し)費用は少なくなります。
安いだけの業者も不安ではありますが、複数の業者に見積もりを依頼(相見積もり)してみて、対応や値段を比較できると満足のいく工事につながるでしょう。
補助金の予算上限に注意
各補助金はそれぞれに予算上限が決められています。予定の申請受付期間中でも予算上限に達してしまうと受付を終了してしまうのです。
各事業のホームページを確認して、予算に対する補助金申請額の割合をチェックしましょう。
DIYは補助金対象外
補助金の申請は施工業者を通して行います。自分で窓の取り付けを行ってしまうと補助金の対象になりません。
少しでも安くと考えてDIYをと考えても、補助金が出ないのではかえって費用がかさむ可能性が高いです。
「二重窓 補助金 いくら」を検索する人がよく思う質問4選
まとめ:二重窓のリフォームは補助金の活用を!
ここまで、2024年の二重窓設置に利用できる補助金について紹介してきました。
「先進的窓リノベ2024事業」をはじめとした二重窓に関わる補助金は、今後あり得ないであろうと言われるくらいに割りの良い補助金額になっており、多くの人が利用しています。
最低でも5割程度、場合によっては持ち出し無しで高性能の二重窓を設置できるわけですから、ぜひ利用したいところです。
二重窓の補助金には国が実施しているものの他、地方自治体が実施しているものもあり、条件次第では双方の補助金の併用が可能な場合もあります。
それぞれの条件を確認して、最大限に利用しましょう。