テレビCMでも有名な「へーベルハウス」は旭化成ホームズの戸建て住宅ブランドです。
大地震や火災にも耐えうる頑丈な造りとして知られ、同時にかなり高価な住宅というイメージもあります。
ここでは実際にヘーベルハウスを建てている客層や具体的な予算、評判などを紹介していきます。
注:表示金額は、全て「税込み」です。
ヘーベルハウスで家を建てる人の年収は?
ヘーベルハウスで家を建てる人はお金持ちと言われています。どのくらいの年収があれば住宅ローンを組むことが可能なのでしょうか。
無理のない住宅ローンの借入額は、手取り年収の25%以内と言われています。
ヘーベルハウスにも多数の商品がありますが、それら1棟の平均単価は約3,870万円です。
【土地を所有している場合】
- 借入金利1%
- 返済期間35年
- 元利均等返済
と仮定し計算すると、年収約700万円・手取り年収約524万円程度あればヘーベルハウスを建てられると推測されます。
返済は約11万円/月となります。
【土地を購入する場合】
上記の1棟平均単価に注文住宅建築者の土地代平均額(2022年調べ)、約1,970万円をプラスし計算します。
3,870万円+1,970万円=5,840万円
ここから割り出される必要年収は約1,100~1,200万円、手取り年収は約785~850万円となります。
返済額は約16~18万円/月となります。
ヘーベルハウスの商品別で考える年収
ヘーベルハウスにも様々な商品が存在し、それぞれでグレードや仕様が異なります。それらから何点か取り上げ、必要年収を考えてみましょう。
新大地
軽量鉄骨構造の商品「新大地」は、ヘーベルハウスの中では珍しい、屋根がある形状が特徴です。
坪単価:85~90万円
延床面積30~40坪想定:建物本体価格は2,550~3,600万円
住宅本体価格+工事費で 3,315~4,680万円
土地代(2,000万円想定)を加算で総額5,315~6,680万円となり、
年収:約940万円以上・手取り年収:約720万円以上 となります。
onefitto
「現代の生活に対応した暮らしを提案する商品」というコンセプトの「onefitto(ワンフィット)」は、ヘーベルハウスの中でも新しい商品になります。構造は軽量鉄骨構造です。
坪単価:80~90万円
延床面積30~40坪想定:建物本体価格は2,400~3,600万円
住宅本体価格+工事費で 3,120~4,680万円
土地代(2,000万円想定)を加算で総額5,120~6,680万円となり、
年収:約920万円以上・手取り年収:約700万円以上 となります。
RATIUS
モダンな外観が特徴の「RATIUS(ラティウス)」シリーズは、強靭な構造かつ柱・壁の無い大空間を作ることも可能な重量鉄骨造です。
坪単価:95~100万円
延床面積30~40坪想定:建物本体価格は2,850~4,000万円
住宅本体価格+工事費で 3,705~5,200万円
土地代(2,000万円想定)を加算で総額5,705~7,200万円となり、
年収:約1020万円以上・手取り年収:約780万円以上 となります。
my DESSIN
設計士が厳選した間取り・設備・外観などからセレクトして建てられる、セミオーダータイプの商品が「myDESSIN(マイデッサン)」です。
坪単価:70~80万円
延床面積30~40坪想定:建物本体価格は2,100~3,200万円
住宅本体価格+工事費で 2,730~4,160万円
土地代(2,000万円想定)を加算で総額4,730~6,160万円となり、
年収:約840万円以上・手取り年収:約640万円以上 となります。
ヘーベルハウスで家を建てる人はお金持ち?
国土交通省発表による「令和5年度 住宅市場動向調査報告書」によると、全国で注文住宅を建てた人の平均世帯年収は915万円です。
その中で、400万~600万円・600万~800万円がボリュームゾーンとなっており、全体の約4割を占めています。
なお、全体の約1割は400万円未満です。
これらの情報から、平均1,100~1,200万円の年収が必要なへーベルハウスは「お金持ちが建てている家」と言えるでしょう。
ヘーベルハウスで家を建てる人の客層は?
高級住宅であるヘーベルハウスなのでお金持ちの客層が多いのはここまでに紹介してきた通りです。その中で、以下のような客層がヘーベルハウスを検討しているようです。
【子や孫の世代に家を残したい人】
100年以上の耐久性も期待でき、建て替えのリスクが少ないため。「打合せの場(デザインスタジオ)のキッズスペースに子供が多かった」という情報もありました。
【企業の管理職クラスなど】
プライドや安心感といった観点で高級住宅を建てる傾向にあります。
ヘーベルハウスでの発注はやめたほうがいい?
ネット上・SNSなどでもへーベルハウスに対してのネガティブな発言も見られます。
その多くは商品に対してというよりは営業・商談の部分であるようです。
一方でへーベルハウスは、オリコン顧客満足度調査・鉄骨造部門で8年連続1位という実績もあるハウスメーカーでもあります。
高評価と酷評の内容から、自分に合っているか見極める必要はあります。
ヘーベルハウスでの発注をやめた人の理由は?
へーベルハウスを諦めたという人には以下のような理由が多いようです。
坪単価の高さ
マイホームを検討する際、ほとんどの人が予算を前提に検討するでしょう。ヘーベルハウスの坪単価の高さは月々の負担に直接影響する要素ですので、これで断念した人も多いようです。
ALC(へーベル)外壁のデザインが好みではない
ALC外壁は耐久性や遮音性が高くメリットも多い建材ですが、デザインは好みがわかれるようです。
断熱性能
へーベルハウスに使用する断熱材は高性能な「ネオマフォーム」ですが、鉄骨造が木造に比べて熱伝導率が高く、断熱性能が低くなりがちです。寒冷地に建てる場合は重要な検討事項でしょう。
過剰(?)な住宅強度
自然災害が多い昨今、住宅強度は高いにこしたことはありません。住宅強度を上げることによるコストの増加が焦点と思われます。
YouTubeの情報
告発系ユーチューバーによるヘーベルハウスの施工の暴露動画が公開されています。過剰表現もみられ、鵜呑みにしないよう注意したいところです。
ヘーベルハウスの口コミ・評判
最近ネガティブなポストが多かったですが、いまだにヘーベルハウスを選択して良かったと思います。
— ゆづ@ヘーベルハウスで建築中 (@c0_s7m) October 7, 2024
躯体がしっかりしてるので、内装や断熱を後からやりかえられると思う点が挙げられます。(そんなに長生きしませんが笑)
また断熱層と配線の層がしっかり分かれているのも非常に好きです! pic.twitter.com/E9wLLXuNCS
二軒目の家になるので、間取りの希望や生活の上の希望がいろいろありましたが、営業はまったく話を聞いてくれませんでした。
「1階に居室があると、子供が帰ってきてすぐに部屋にこもるし、出入りが分からないのは嫌だ」
と伝えても、「そんなのは育て方次第です」と言って、二階リビングの良さをとうとうと語るだけ。
出来る営業なら、玄関が見下ろせる間取りの工夫だったりといった提案をすると思います。
狭い住宅街での二階リビングのメリットは理解できますが、それに固執する営業にうんざりしました。
品質に満足というポジティブ意見も多い中、サイトやSNSによってはアンチな意見も多いです。特に、営業やサポートで悪い対応を受けたというものが多数見受けられます。
ヘーベルハウスのメリット・デメリット
ヘーベルハウスのメリット
ヘーベルハウスには高級住宅ならではのメリットがたくさんあります。その一部を挙げてみましょう。
充実した商品ラインナップ
「商品別の年収」で一部紹介したように、ヘーベルハウスには数多くの商品ラインナップがあります。
限られた土地を有効活用する3階建てモデルや2.5世帯向け住宅、賃貸併用住宅など、他のハウスメーカーでは珍しい商品も存在します。
アフターサービスの充実
戸建てを建てる場合、マンションとは違いメンテナンス・修繕などは自分で行わなければなりませんが、60年間もの長期無料点検サポートを実施しているヘーベルハウスでは、定期的な点検によって安心感をもって住み続けられます。
優れた耐震性と耐火性
へーベルハウスの構造上でよく取り上げられるのが耐震性と耐火性の優秀さです。
1~2階建て住宅には「ハイパワード制震ALC構造」、3~4階建て住宅には「重鉄・システムラーメン構造」「重鉄制震・デュアルテックラーメン構造」といったように、規模に適した構造で大地震に備えられています。
そして外壁に使用されているへーベル(ALCコンクリート)は、内部に気泡とそれをつなぐ細孔により、熱を伝えにくくしている耐火性の高い建材となっています。
長寿命
ヘーベルハウスの基本躯体構造の耐用年数は60年以上と言われています。これは、一般的な木造住宅に比べてかなり長い耐用年数と言えます。
もちろん、その間にも塗装や防水シートシステムなどの補修は必要ですが、アフターメンテナンスサービスも充実しており、初期保証で30年間、有償保証を受けると最長60年まで保証期間が延長できます。
ヘーベルハウスのデメリット
高性能住宅のへーベルハウスにもデメリットは存在します。
値段の高さ
高級住宅なので当然ではありますが、値段の高さは多くのマイホーム希望者にはネックになるでしょう。
ヘーベルハウスの坪単価は75~150万円程度とされ、こだわりや広さがある場合、坪単価は100万円を超えます。
土地の購入も必要な場合には、総額1億円を超えることも珍しくありません。
金銭面に余裕が無いとヘーベルハウスを選択するのは難しいかもしれません。
外壁材が「へーベル」一択
ALCコンクリートの「へーベル」という建材を使用した住宅の総称がヘーベルハウスです。
逆に言うと、タイルやサイディングなど、他の外壁材は選択できません。
へーベルがデザイン的に好みでない場合は、後悔する要因になる可能性があります。
間取り・デザインの自由度が低め
一般的な注文住宅の場合、間取り・外観を自分好みにできるというイメージですが、ヘーベルハウスの場合は他社に比べ制約が多めです。
前述した外壁材の他、屋根のないスクエア型の商品が多く、色々な意味で「へーベルハウスらしい建物」になります。安全構造を守るゆえの間取りの制約もあります。
完全に自由なデザインを求める場合、ヘーベルハウスは適さないかもしれません。
ヘーベルハウスで家を建てる場合の住宅ローンは?
家を建てる際は無理のない資金計画が重要です。年収がいくらあればヘーベルハウスを建てる住宅ローンが組めるのか、確認していきましょう。
住宅ローンの借入額を手取り年収の25%以下に抑える
生活費の圧迫や返済の滞納などのリスクを防ぐには、住宅ローンの返済額を手取り年収の25%以下に抑えたいところです。
例として、年収800万円、手取り年収を約588万円とすると、手取りの25%になる月々の返済額は約12.2万円となります。
借入れ金利を1%、返済期間を35年、元利均等返済の借り入れ条件とすると、購入できる家の価格は4,321万円となります。
金利の変動リスクに備える
返済期間中に金利の変動が無い固定金利に比べ、変動金利の場合は景気の動向によって金利が上昇し、返済額が増える可能性があるのです。
購入後数十年、ローンの支払期間中に金利の上昇は考えられる要因です。余裕を持った資金計画を行いましょう。
返済金額を踏まえたシミュレーション
住宅ローンは返済期間を長くすると月々の返済額は抑えられます。
しかし、返済期間が長くて完済が定年を過ぎてしまうと老後の経済面に支障をきたします。
返済期間と返済額のバランスは非常に重要です。ファイナンシャルプランナーに資金計画を相談してみるのも有効でしょう。
ヘーベルハウスがおすすめの人は?
予算に余裕が有る人
坪単価が100万円を超えることも多く、ハウスメーカーの中でも値段が高めと言われるヘーベルハウス。特に、土地が高い都市部では土地を含めると1億円を超えることもあります。
土地をすでに所有していて購入の必要が無い、もしくは土地を購入しても予算に余裕がある人=お金持ちに適した住宅と言えるでしょう。
安心・安全重視の人
密集地の火災にも備えられるALCコンクリート「へーベル」を外壁に使用しているのがヘーベルハウスの大きな強みです。加えて柱・梁・階段などの構造体が鉄骨であることも、木造住宅に比べ火災に強い要因です。
他にも基礎の頑強さや雨水の侵入に強い独自の外壁塗装など、安全・安心を重視したい人に適した家と言えます。
狭い土地に建てたい人
重量鉄骨の3階建てが可能なへーベルハウスなら、都市部などの余裕が無い敷地でも最大限に活用できるでしょう。
耐震性が高い部材を使用していることで、壁や柱を減らした空間を設計できることも強みです。
その他の住宅メーカー別で考える年収
他のハウスメーカーの必要年収はどうなっているでしょうか。
前述の計算式にあてはめて見てみましょう。
積水ハウスで家を建てる人の年収
業界最大手のハウスメーカーである積水ハウス。圧倒的な年間供給戸数を誇ります。
坪単価は60~100万円程度と言われており、
延床面積を30~40坪と想定すると建物本体価格は1,800~4,000万円
住宅本体価格+工事費で 2,340~5,200万円
土地代(2,000万円想定)を加算で総額4,340~7,200万円となり、
頭金0円・住宅ローン金利1%・35年ローン・返済負担率25%で計算すると、
年収:約770万円以上・手取り年収:約590万円以上 となります。
住友林業で家を建てる人の年収
住友林業は「木の家づくり」に特化したハウスメーカーです。
坪単価は70~80万円程度とされ、
延床面積を30~40坪と想定すると建物本体価格は2,100~3,200万円
住宅本体価格+工事費で 2,730~4,160万円
土地代(2,000万円想定)を加算で総額4,730~6,160万円となり、
頭金0円・住宅ローン金利1%・35年ローン・返済負担率25%で計算すると、
年収:約840万円以上・手取り年収:約640万円以上 となります。
ヘーベルハウスで後悔しないためポイント
ネット上での口コミには「へーベルハウスで家を建てて後悔した」という声も見受けられました。
後悔しないためにはどのような対策をすれば良いでしょうか。
設計に時間をかける
他のハウスメーカーで建てる際にも言えることですが、施工が始まってから間取りや設備を変更することは難しいですし、できたとしても余計な出費がかかります。
まずは設計に時間をかけましょう。家族全ての要望を出し切って設計担当者に伝え、メリット・デメリットを加味して要望の優先順位をつけ、間取りや設備を決めていけば、心残りを最小限に抑えられるでしょう。
プランのシミュレーションを行う
設計された間取りを確認して「家事の動線に無駄がないか」「収納場所は使用場所と近いか」など、実生活をイメージしてみましょう。
特に注文住宅の場合は間取り・設備・内装など1から設計していくものなので、イメージすることは重要です。
施工管理の確認
施工(工事)時も、可能な限り実際に足を運んでみましょう。工程通りに施工が進んでいるか、決めた仕様と異なっていないかなど確認できると安心です。
現場担当者と顔を合わせて挨拶することで、丁寧な施工を心がけてくれることも期待できます。
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まとめ:年収はあくまでも参考程度に!
ヘーベルハウスがお金持ち向けの高級住宅であることは間違いないですが、その分耐震性や耐火性の高さ、耐久性の長さで安心して暮らせる家と言えます。
また、将来的にメンテナンス費用が他の住宅より抑えられてコストパフォーマンスが高いという意見も多く見られます。
「年収」はあくまでも参考として、ローン方法を含めてファイナンシャルプランナーに相談してみてはいかがでしょうか。