外装工事とは、家の外装部分について保守工事をすることであり、多くの場合に「外壁塗装」「屋根塗装」、その他これらに含まれるものを指します。
ここで気になるのは外装工事の種類について費用とその業者選びをどうしたらよいのかということではありませんか?
出すお金がいくらになるのか?というのは業者次第であり、また工事の質も業者次第ですからね。
こちらでは外装工事の種類で費用を見て、また業者選びについて解説していきますね。
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外装工事の種類とは
最初に見たように外装工事というのは屋根を含む家の外装を保守することを指す場合が多いですが、こちらでは家の横部分の「外壁」、そして家の上部分の「屋根」に分けてみてみたいと思います。
耐用年数が近い場合には、外装工事を外壁と屋根を同時に行うことが多く、またそのほうが足場代や人件費など、重複してかかる費用を節約できるので、長い目で見ると家の保守費用を節約することができます。
そういったこともあって、外装部分の耐用年数を外装工事をする段階で合わせておくという考え方が重要です。
ちなみに次回の外装工事で費用を節約できるように耐用年数を合わせる場合には、屋根のほうが劣化が1.5倍ほど早いこともあって、屋根に使う保守材料のほうが良いものを使うことが多くなります。
耐用年数や費用については、次のページで詳しく見ることができますので、あわせて確認してください。
⇒誰でも簡単にわかる!外装工事の耐用年数と費用の計算はこちら
外壁塗装
外壁塗装とは、外壁の塗装をすることに加えて、例えばモルタル壁のひび割れを直したうえで塗り作業を行うということまで含めます。
多くの方の認識と異なり、塗装というのは塗るだけでは済まず、実際に塗り作業をするまでの準備が大切になってきます。
そのため、塗り自体は全体の2割から3割ぐらいの工程になりますが、そのほかの工程では塗り作業をするための下地処理をしっかり行うことが外壁塗装の質を上げるためのカギになります。
外壁塗装の耐用年数は塗料の選択と、外壁の種類自体によって異なります。
主に外壁塗装では塗料の選択によって耐用年数が決まり、外壁種類の耐用年数については次に話す外壁張り替えや外壁重ね張りによって保守を行います。
外壁張り替え
外壁張り替えとは、外壁をはがして新しい外壁材を張り替えることであり、外壁自体の耐用年数を迎えたときに行われます。
工事の費用については、外壁塗装より費用は高くなります。
耐用年数について外壁によって異なりますが、従来の住宅で使われていたモルタル壁の場合には20年から長くても30年、サイディング壁の場合には30年から40年で、サイディング壁の場合にはサイディングパネルの種類によっても変わってきます。
外壁重ね張り
外壁重ね張りとは、今ある外壁をはがさずにそのうえから新しい外壁を重ねて張ることであり、外壁自体の耐用年数を迎えたときに行われます。
外壁張り替えと異なるのは、工事の期間や費用について、期間は短く費用は若干安くなるのですが、実は金額自体が大きいこともあって、それほど大きく変わるものではありません。
デメリットばかり目立つ重ね張りですが、遮音・断熱機能を高めることが可能であり、また家を一回り大きく見せることができる隠れた効果もあります。
また外壁自体に雨漏りなどの問題がある場合に、それ自体の解決をしているわけではないことに加えて、外壁を重ねて張る分だけ家の構造に負担がかかりますので、どの家でも重ね張りできるとは限らないのです。
また他の条件としては下地部分の劣化が激しい場合には外壁の重ね張りを選択することができません。
屋根塗装
屋根塗装とは、家の屋根を塗装する保守工事であり、屋根自体の補修を含めて行われます。
外壁塗装と同様に、塗装は塗る場所の下地処理をしなければ上に塗料が乗らず、その工事の質は悪いものになってしまうでしょう。
屋根塗装も塗料や屋根種類によって耐用年数が異なります。
屋根葺き替え
屋根葺き替え(やねふきかえ)とは、屋根素材を張り替えることであり、屋根素材の耐用年数を迎えた状態で行われる工事です。
屋根素材の葺き替えについては、近年まで素材にアスベストを含んだものを利用していた背景もあり、葺き替えを行う場合には注意しなければいけない状況があります。
ただし、日常的に暮らしている場合にはそれほど害があるわけではありません。
あくまでも撤去する場合にアスベストが大気中に出てしまうため、屋根素材の耐用年数や状態が悪いわけでもないのに心配する必要はないのです。
屋根重ね葺き
屋根重ね葺き(やねかさねふき)とは、今ある屋根素材の上から新しい屋根素材を張る工事であり、屋根素材の耐用年数を迎えた状態で行われる工事です。
外壁と同様に、重ねて張るということは家の構造部分へ負担が大きくなることに加えて、屋根葺き替えと比べると工事期間の短縮や費用を安くすることが期待できますが、実際には工事金額が高いのであまり気になるほどのものではありません。
屋根の重ね葺きの工期短縮や費用削減以外のメリットは、遮音・断熱効果が期待することができます。
アスベストが大気中に舞うことについて重ね葺きならば、張り替えよりも心配は少ないと言われていますが、重ねて張るときに少なからず切削を行うわけで、全く粉塵が発生しないということではない点に注意が必要です。
屋根の重ね葺きについては下地が痛んでいないことが条件であり、家の構造部分が重ねた後の重量に耐えられることが条件であったりと、できる条件が限られている点を知っておく必要があります。
その他付帯部など
外壁や屋根以外の外装については主に付帯部と呼ばれる部分の保守になります。
基本的には外壁塗装や屋根塗装などにあわせて行われることがありますので、部分的に問題がある以外にはあまり気にする必要はありません。
外壁に含まれるならば外壁塗装などで、屋根に含まれるならば屋根塗装などで、保守工事を同時に行うものと考えてください。
外装工事の費用
外装工事の費用については家の坪数などから計算される場合が多く、特に大雑把な計算で良いのならばある程度の目安を知ることができます。
30坪から40坪ぐらいの家において一般的に言われているのは次のような費用になりますので参考にしてください。
外装工事内容 | 一般的な費用目安 |
外壁塗装 | 60万円から120万円 |
外壁張り替え | 200万円から300万円 |
外壁重ね張り | 180万円から280万円 |
屋根塗装 | 50万円から100万円 |
屋根張り替え | 180万円から280万円 |
屋根重ね張り | 160万円から260万円 |
外壁塗装や屋根塗装について意外に範囲が広いと感じるのは使われる塗料によっても費用が大きく変わるからであり、またそれ以外の張り替えや葺き替えなどは素材種類による違いによるものです。
塗料種類による費用を計算したい場合には、大雑把な目安を次のページで確認できますので、耐用年数による1年あたりの費用負担も併せて確認してください。
費用が安いほうが良いとは限らない理由
家の保守工事は費用が100万円を超える場合が少なくありませんから、少しでも費用を節約するということで、数万円から数十万円も無駄にお金を払うことを防ぐことができます。
ただし極端に安い外装工事見積もりが必ずしもよいとは言えないのです。
外装工事についての費用は実はある程度決まっている場合が多く、これは積算という計算方法を使ってどの業者も面積などに基づいて請求するための費用基準があるのです。
つまり、利用する塗料の種類や外壁材の種類などによって変わってくる以外については、業者がどのぐらい利益をとるかということになります。
ということは高すぎる費用を払うのは問題であるとしても、安すぎる費用での工事も問題が生じる可能性が高いのです。
このことは安く請けた工事は安い費用で済まさなければいけないということで、いわゆる手抜き工事をせざるを得ないのです。
もちろん多少手抜きをしてでも外装工事の費用を安くしたいという要望であれば、これはむしろ良い選択といえますが多くの方は費用は安くして工事の質は高くしたいと考えているはずです。
工事の質については技術の差によるところとどこまで仕事をしっかりやるかという点によりますが、費用を安くすることで「どこまで仕事をしっかりやるか」ということに制約がかかってしまう点については知っておくべきです。
したがって費用が安すぎる場合には工事の質も基本的には下がる可能性があるということを覚えておいてください。
外装工事の業者選び
外装工事を行うときの業者選びについては、地域で実績がある業者を選ぶのが一番です。
ただし、近所の評判を聞いて選ぶということはあまり望ましくないでしょう。
その理由としては上で説明したように、質などは多少我慢しても安く済ませたいという要望の場合もあり、その場合には安かろう悪かろうの業者を良いいう評判付きで知ることになります。
これはとても危険なことであり、先入観というのは悪い印象ばかりに適用されることが多いですが、逆に良い印象を植え付けられてしまうという点も注意すべきです。
このようなこともあり近所の評判は参考にしつつも、自分で良い業者を探す必要があるので相見積もりをするというのが基本ですが、外装工事についてはこの相見積もりが少し注意して使う必要があります。
相見積もりを使うときの注意点
外装工事の相見積もりを使う場合に、他の車買取や引っ越し査定などとは違う部分があることを知っておきましょう。
車買取や引っ越し査定において、相見積もりをとる理由としては車買取であれば車を高く売るため、引っ越し査定であれば引っ越し費用を安くするために行います。
そして外装工事の相見積もりでは良い業者を探すために行うので、必ずしも費用を安くするためというわけではないのです。
車を売る場合であれば売った車についてのその後について気にすることはなく、引っ越しについても業者によって差はあれど物を積んで運んで降ろすという点ではどこもそれほど変わるものではありません。
しかし家の場合には今後あなたが家に住んで利用していくわけであり、ただ価格を安くすればよいというわけではないのです。
2つ前の段落で話したように費用を安くした場合には、安かろう悪かろうの工事品質にならざるを得ない場合が多く、これを希望しない場合には費用を比較して値引きをするという行為を過度に行いすぎることは危険です。
また業者としても見積もり自体を出すのに相当な労力がかかっている中で、あなたはそれについて費用を負担しないというのが現在の主流であり、わざわざ高い金額を吹っかけてくるような業者は多くありません。
こういったことからも外装工事を業者間で比較競争させて安くさせるための相見積もりではない、という点について注意しておかなければいけないのです。
悪徳業者に見られる特徴
ここまで説明してきたように多くの業者は優良業者であるわけですが、やはりどんな業界にも悪徳業者はいるもので、特に外装工事は単価が高いので営業だけするという悪徳業者が10年以上前に流行りました。
こちらでは悪徳業者の特徴を箇条書きにしておきますので、これらに当てはまる場合には注意する材料として使ってください。
- 訪問販売で工事を打診してくる
- 「今契約するなら半額」とあり得ない値引きを行う
- 「オリジナル塗料を使っている」という業者
- 外装の無料点検をするという業者
- 「今保守工事をしないとすぐに大変なことになる!」と警告する業者
他にも挙げればきりがありませんが、基本的には営業だけして後は下請けに丸投げするという姿勢が多いのが特徴です。
つまり施工をするわけではなくあくまでも業者の紹介にすぎないのです。
もちろん施工して営業もする業者もいるのですが、過去に流行った手法ではこの営業と施工を分離する方法が最も多かったということで紹介しました。
よく意外だと言われるのは、容姿や話し方などによって判別するようなものはないのですか?ということですが、基本的にはそういった考え方が最も危険であると言えます。
まず職人気質な方が営業をしている場合、口下手な方が多いので普通に話していると信用できないような印象を受けますが、工事の質については言動や容姿が影響を与えるわけではありません。
また相手をだますために行うわけですから、容姿や言動を良くして挑むのは当然であり、それによって良い印象を与えられるならその準備など簡単に出来るので、悪徳業者ほど良い印象を持たれるように努力しますよね、
他の業界でも言えることですが、外装工事の業界においては特に容姿や話し方で人を判断するような考え方はしないほうが良いでしょう。
外装工事の種類:まとめ
最後に外装工事を良くするためには、特に費用の面で高すぎるお金を払わないこと、そして工事の質を落とさないようにすることです。
これらは業者選びで達成できる部分が一番大きく、次にあなたの考え次第であると言えます。
途中で話したように安かろう悪かろうでも問題ないケースもあります。
例えば家が老朽化していて後5年済めれば良いときには、簡単な工事で済ませたほうが望ましく、間違ってもこれから外壁の張り替えを行うなんてことはないはずです。
また近年は断熱や遮熱など塗料に特徴を持たせているものや、サイディングパネルも多様化してきていますので、デザインや機能性で選ばれることも少なくありません。
当然外装工事費用はこだわればこだわるほど高くなりますが、基本的に外装工事費用が高くなるほど耐用年数でその費用を割った場合の年間支出は安くなることが多いことも知っておきましょう。
これは足場代や人件費などでかかるコストを、耐用年数が長い塗料や素材を使うことで節約することができるためです。
例えば、20年間での費用を考えてみた場合に、耐用年数が20年の塗料を使った場合は1回の外装工事をすればよい工事と、耐用年数が5年の塗料を使った場合は4回の外装工事をする必要がある場合、足場代や人件費などが3回分多くかかることになります。
こういったこともあり、耐用年数の長い塗料や素材ど使うことはトータルコストの点で有利になりことが多いので、その点を考えながら外装工事を選ぶ必要があるということです。
したがって、業者選びについてよく考えるというのは最も重要ですが、あなたがどのような外装工事にしたいのかを考えるという点も忘れずに行ってくださいね!
以上、お役立ていただければ幸いです。