外壁や屋根の塗装は新築の場合、約10年で保証期間外となり、シールなどの経年劣化により再塗装が推奨されます。
長く使う住まいのために外壁や屋根塗装の見積を取ったところ金額の大きさに驚いた人もいるのではないでしょうか。
どうしてこんなに高いの!
見積金額が妥当かどうかわからないと、塗装工事を依頼するかどうかためらってしまうのではないでしょうか。
そこで、今回は外壁と屋根の塗装の相場について調べてみました。
外壁や屋根塗装で180万は高いの?
例えば180万円の見積を受け取ったとします。
住宅はまだ使えるし、すぐに必要性を感じない修繕費に、高額な費用をかけたくないと感じると思います。
外壁や屋根塗装の見積は、塗装費以外に足場費用やシール費用などの項目で構成されており、建築について詳しい人でない限り、内容の精査や妥当性の検証は難しいでしょう。
外壁塗装には、塗料代や塗装工事費を主としてさまざまな費用がかかります。
ここでは費用の内訳や相場などから、高いか、あるいは妥当な価格なのかを見ていきましょう。
外壁や屋根塗装で180万は高いと考えられる場合は?
まずは概算で相場感を把握してみましょう。
判断の目安になります。
事前準備1:建物の外壁面積を算出しましょう。
図面もしくは実測(大体でも良い)し、建物外壁の幅と高さをつかんでください。
幅と高さを掛けて外壁面積を算出します。
外壁面積はm2単位としてください。
mm2単位の場合は、m2単位に変換してください。
事前準備2:外壁の面積がわからない場合は、延床面積を算出しましょう。
図面もしくは実測(大体でも良い)し、建物床の縦横の長さをつかんでください。
縦横を掛けて床面積を算出します。
2階以上の建物の場合は、2階以上の床面積も合計してください。
延べ床面積は坪単位に変換します。
m2単位に0.3025を掛けて坪単価に変換できます。
mm2単位の場合は、まずはm2単位に変換してください。
延べ床面積に×1.2することで外壁面積を算出します。
それでは、相場感は以下のとおりです。
<外壁と屋根塗装を一緒に工事する場合の相場費用>
坪数 | 塗装面積 | 相場費用 |
---|---|---|
10坪 | 36.9m2 | 40万~70万円 |
20坪 | 79.2m2 | 70万~110万円 |
30坪 | 118.8m2 | 80万~120万円 |
40坪 | 158.4m2 | 100万~140万円 |
50坪 | 198.0m2 | 120万~180万円 |
60坪 | 237.6m2 | 150万~210万円 |
70坪 | 277.2m2 | 160万~250万円 |
80坪 | 316.8m2 | 180万~280万円 |
90坪 | 356.4m2 | 200万~300万円 |
100坪 | 396m2 | 230万~350万円 |
業者によって施工単価が異なったり、塗料が異なったりするため、費用には幅があります。
相場より高い場合、180万円は高いといえるかもしれません。
しかし、あくまで概算のため、見積が間違っていると判断するのは早いかもしれません。
外壁や屋根塗装で180万が妥当と考えられる場合は?
業者からの見積の内訳をある程度把握しておくことで妥当性を確認できます。
<外壁と屋根塗装の見積内訳>
1.材料費・塗料費(全体の約20%)
材料費・塗料費は、見積の約20%の費用を占めます。
塗料の種類によって費用は異なり、耐用年数の長い塗料は高い傾向にあります。
種類 | 耐用年数 | ㎡あたり相場 |
---|---|---|
アクリル塗料 | 約3~8年 | 約1,000~1,800円 |
ウレタン塗料 | 約5~10年 | 約1,400~2,500円 |
シリコン塗料 | 約7~15年 | 約1,800~3,500円 |
ラジカル塗料 | 約10~13年 | 約2,200~4,000円 |
フッ素塗料 | 約15~20年 | 約3,000~5,000円 |
セラミック塗料 | 約10~25年 | 約3,500~5,000円 |
無機塗料 | 約15~20年 | 約3,500~5,500円 |
耐用年数の長い塗料は高価ではありますが、塗り替え回数が少なくなり、長期的にみれば費用をおさえられる場合もあります。
2.足場代(全体の約20%)
足場は外壁や屋根を塗装する際の職人の足場かつ作業スペースとなります。
また、シートを貼って塗料の飛散防止をすることもできます。
足場代の相場は下記の式で算出します。
外壁面積×1.3×単価=足場代
※1.3は外壁周囲に足場を設置するにあたり、外壁から少し余裕を持ち接触しないように設置するためです。
足場の単価は約600円〜800円、飛散防止シートは100円〜200円です。
3.人件費(全体の約30%)
職人に支払う費用です。
塗装作業以外に、足場組立等、塗装に関わる全ての職人に支払われます。
例えば以下のような費用です。
①飛散防止ネットはり
塗料の飛散防止のためにネットをはります。
1㎡あたり100〜200円
②養生
塗料の付着防止にドアやサッシにマスキングテープをはります。
1㎡あたり100〜300円
③シーリング補強
目地や壁のひび割れ箇所をシーリング材で埋めます。
通常は目地のシーリングを一旦剥がして打ち替えますが、増し打ちは劣化の少ないシーリング部分の上に、新しいシーリングで補強することです。
増し打ち:1mあたり500〜1,000円
打ち替え:1mあたり900〜1,500円
④下地補修
塗装前に壁に入ったクラックなどを補修し、下地をきれいにすることです。
1㎡あたり1,700〜2,500円
⑤塗装工の労務費
塗装職人の単価です。
国土交通省の令和5年の労務単価を参照しました。
31,300円/日(東京都)
4.その他運営費(全体の約30%)
交通旅費や、現場管理費、産廃処理費など現場を運営する上で必要な諸経費です。
①現場管理費
塗装工事は、塗装工や足場工等、複数の業者が作業するため、工事管理者が必要となります。
30,000円〜50,000円/日
②産廃処理費
塗料の空缶や剥がしたシーリング材、養生資材等の産廃費用です。
一式10,000円〜30,000円
悪質な業者の可能性が高いパターン
塗装工事にはさまざまな職人や作業があるため、建築に詳しくないとわからないことが多いでしょう。
塗装工事を依頼した際に悪質な業者に騙されないよう、どういったところに気をつければ良いか確認していきましょう。
不安になることばかり言う
早めに塗装工事を行うことで、住まいを長く使えるようになったり、塗装工事の費用を安く抑えたりすることができますが、無暗に不安を煽り、工事を急かすような塗装業者には注意した方が良いでしょう。
塗装工事は、壁や屋根から雨漏りしているなどがなければ、そこまで工事を急ぐ必要はありません。
業者の見積を1度じっくり見させてもらう時間をもらいましょう。
他の塗装業者の見積も調べ、比較することができればよりベターです。
見積もり内容が曖昧
見積の単位が全て一式になっていたり、見積項目や作業内容が明確になっていなかったり、塗装面積等の数量が記載されていなかったり、見積内容の根拠が曖昧なものには注意が必要です。
作業内容がよくわからないところは、具体的に説明してもらうようにしましょう。
説明に納得がいかない場合は、その業者への工事依頼は避けた方が良いでしょう。
すぐに決めるよう急かす
前述とかぶってしまいますが、塗装工事は、屋根や外壁から雨漏り等していなければ急いで決める必要はありません。
早めに決めるように急かし、考える時間を与えないような業者は要注意です。
1度考える時間をもらい、見積内容の確認を行いましょう。
もしできれば、他の塗装業者から見積もとり比較することができれば、なお良いでしょう。
特別な塗料をおすすめされる
長く住む家ですから耐用年数の長い塗料を塗って、塗り替えまでの期間が長い方がいいとおすすめされるかもしれません。
1度、何年自分達がこの家に住むのか考えてみましょう。
引越しや建て替えの可能性があれば、その時まで持てば十分です。
高機能な塗料はその分費用が高くなります。
必要十分な塗料を選ぶようにしましょう。
外壁塗装の相場はどれくらい?
外壁と屋根塗装の費用相場を前述の通りですが、もし外壁のみを知りたい場合は、前述の費用相場から20万円〜40万円ほど安くなるとお考えください。
外壁塗装のみの相場費用を下記表に記します。
坪数 | 塗装面積 | 相場費用 |
---|---|---|
10坪 | 36.9m2 | 約20~50万円 |
20坪 | 79.2m2 | 約40~90万円 |
30坪 | 118.8m2 | 約60~100万円 |
40坪 | 158.4m2 | 約80~130万円 |
50坪 | 198.0m2 | 約90~160万円 |
60坪 | 237.6m2 | 約120~200万円 |
70坪 | 277.2m2 | 約140~230万円 |
80坪 | 316.8m2 | 約160~260万円 |
90坪 | 356.4m2 | 約180~280万円 |
100坪 | 396m2 | 約200~310万円 |
適正な価格で塗装してもらうコツは?
適正な価格で塗装してもらうには、見積を比較して、適正な価格の業者に工事を依頼する方法が良いでしょう。
複数業者から見積を取ることで、相場からかけ離れた費用を請求する悪徳業者を弾くことができますし、費用も抑えることができます。
注意することは、他社の見積の方が安いと見積金額を叩くことは避けた方が良いでしょう。
金額が高い項目があれば、どのような作業内容か説明を求めるようにし、納得がいかない場合は変更ができるか、安い方法がないか相談することがコツです。
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まとめ:塗装で180万は高い場合があるので他の業者にも見積もりを!
今回は、外壁と屋根塗装の相場費用について調べました。
昨今は物価上昇が著しく、今回調べた相場費用も、日々変わる物価のために、現実の相場と離れてしまうこともあるかもしれません。
調べた相場が実際と乖離し、一体正しい相場がいくらなのかわからなくなってしまったとき、1番大切なことは、塗装業者と工事内容について話をし、納得した上で工事を依頼することかと思います。
今回調べた外壁や屋根塗装の金額が塗装工事を検討する上で一助となれば幸いです。