外壁にコケが生えた場合には早急に除去することが望ましいと言えます。
というのも一部の外壁を除けば、外壁は湿気に強いとは言えず、常に湿気を維持するようなコケは外壁や家の構造部分にとって、水分の浸透により悪い影響を及ぼすからです。
こちらでは、外壁のコケ落としについてカビキラーを使って良いのかという点を見ていきます。
外壁のコケにカビキラーを使うと塗膜へダメージ
外壁がモルタルであってもサイディングであっても、塗料を塗って保護している以上は、塗膜に悪い影響がある薬剤を使うことは望ましくありません。
塗料仕上げをした外壁に対してアルカリ性の洗剤や、漂白剤を使うことは塗料が変質してしまうからです。
実は一部の外壁を除けばほとんどの外壁において、塗料を使わないということはなく、使ってないように見えて実はクリア塗装をしている場合がほとんどです。
そのため、外壁のコケ落としにカビキラーを使うことは塗膜へのダメージが及ぶために、あまり望ましくない選択となるのです。
ハイターとカビキラーは同じもの
キッチンハイターなどに代表される漂白剤とカビキラーの使い分けを考える場合がありますが、成分を見てみると両者は同じものであることが分かります。
どちらも「次亜塩素酸ソーダ」と呼ばれるものですが、実は液体タイプのキッチンハイターのほうがこの「次亜塩素酸ソーダ」の濃度が10倍ほど違います。
泡タイプのキッチンハイターもありますが、これはカビキラーと同等の濃度(若干キッチンハイター泡タイプのほうが高いと言われている)ですので、どうしてもコケをとりたいということでしたら、泡タイプのほうが少し安全に使えるかもしれません。(もちろん推奨はしない)
そのため、外壁にカビキラーを使えないならばハイターならどうだ!と考えるかもしれませんが、実はどちらも同じなので使わないほうが良い物となります。
しかしながら外壁に生えたコケをそのままにするわけにもいきません。
次にどのようにして外壁のコケを落としていけばよいのかということをみていきたいと思います。
外壁のコケの落とし方
コケを掃除する方法
コケを掃除する場合には、柔らかいたわしやモップなどで外壁を傷めないように掃除することが望ましいです。
特に金属製サイディングボードの場合には、コケが生えることはまれですが、これを強く掃除した場合にはへこみや傷ができて錆の原因となってしまいます。
どうしても落ちないコケについては、水和剤の除草剤を利用して、散布後数日たってからたわしやモップでこするようにしましょう。
なお、2階部分など高所の作業は危険が伴いますので、はしごを使って掃除などはしないほうが身のためです。
高所での家メンテナンスで怪我をするというのは、別に珍しいことではなくよく聞く話です。
自分で掃除すれば1万円以内で住む場合がほとんどですが、高所での作業が伴う場合には業者に頼んで掃除してもらうのも手です。
業者に頼む場合には5万円前後の支出となりますが、けがをして仕事などができない場合や、後遺症が残ってしまうことを考えれば安全をとったほうが良いでしょう。
高圧洗浄機は使わない
高所での作業が厳しいということで、それならば高圧洗浄機ならどうかといえば話はそんな簡単ではありません。
高圧洗浄機は外壁に塗られている塗膜まで根こそぎとってしまいます。
テレビCMでも使われていますし業者も掃除していることを考えると、外壁のコケ落としには有効であると考えますが、逆に取れすぎてしまうわけです。
しかも塗装業者の場合にはその後に塗装をするためにきれいにしているので問題はありませんが、ただ掃除するだけであれば塗膜までとってしまうと、壁が無防備な状態でさらされますので、結局外壁塗装をしなければいけない状況になってしまいます。
また、サイディングボードを使った外壁では、そのつなぎ目のコーキング部分を傷めることになってしまい、そこから建物の内部に浸水を許してしまうことになりかねません。
家庭用の高圧洗浄機であっても、コーキング部分に対して利用すると、このつなぎ目を壊してしまうのです。
こういったこともあって、外壁の掃除に対して高圧洗浄機は利用してはいけません。
外壁のコケを予防する方法
外壁に生えるコケを予防する方法については、日ごろから外壁を簡単に掃除すればよいのですが、そういったことは基本的にしません。
またあまり現実的でもありませんが、金属系サイディングボードなど外壁の素材自体に凹凸が少ないものを選ぶことで、コケが生える要素を取り除くことが大切です。
ただ、実際問題として外壁にコケが生えないように出来る予防方法としては、外壁塗装をして塗料の選択時に防汚機能が付いている塗料を選ぶことが大切です。
特に日当たりが少ない部分や北側についてはコケが生えやすく、そういったところに防汚機能が付いた塗料を利用することで、外壁に生えるコケを予防することに役立つでしょう。
外壁のコケにカビキラーを使うなら劣化を覚悟する
最後に外壁のコケにカビキラーを使って掃除するなら、塗膜が劣化してしまうことを覚悟してください。
とはいえ、すでにコケが生えるような状態であれば塗膜も薄くなっていることが多く、家のメンテナンス時期が到来しているケースも少なくありません。
こういったことを考えると、数か月先に外壁塗装をする予定であれば、外観が悪いので落ちにくいコケにはカビキラーを使って落とす、という方法も悪い方法ではないのかもしれません。
その際においても外壁自体の色が変わってしまったことで、クリア塗装をしたときに変色が出てしまうことは覚悟するべきでしょう。
以上をまとめると、外壁のコケ落としには柔らかいブラシやモップを利用して落とすことが最適で、カビキラーやハイターを利用する場合には、塗料の変質を覚悟したうえで使うということになります。
もちろん高圧洗浄機は効果抜群ですが使ってはいけません!
以上、「外壁のコケ落としにカビキラーを使う前に見てください!」でした。
お役立ていただければ幸いです。