ALCは、耐火性や断熱性に優れた建材ですが、外壁として使う場合は、ひび割れや劣化に注意する必要があります。
しかし、ALC外壁の見分け方は一般的に難しいと言われています。
そこで、この記事では、ALC外壁の特徴や見分け方、メンテナンス方法などについてご紹介します。
alc外壁の見分け方
ALC外壁の見分け方をご紹介しますが、他の外壁材との区別をするために、まずはALC外壁の特徴を知りましょう。
継ぎ目が縦横にありシーリング材が埋められている
alc外壁の見分け方は、継ぎ目が縦横にあり、シーリング材が埋められていることです。
alc外壁は、サイディングと同じように繋ぎ目がありますが、サイディングに比べて壁の厚さが約2倍あります。
下見板張り外壁と比べると、継ぎ目があることが特徴的です。
外壁よりも内側に窓が付いている
ALC構造では、通常外壁よりも内側に窓が付いています。
軽量かつ柔軟な性質により、外壁よりも内部で窓を配置しやすく、建物内部のデザインの自由度が高まります。
ALCの見た目は?
ALC外壁の見た目は一般的に滑らかで均一な表面をしており、その色や質感は製造時の仕上げや塗装によって様々です。
一般的には、モダンで清潔感のある外観を持ちつつ、建物によっては石やレンガのような質感を模倣したり、様々な塗装が施されています。
具体的なデザインや仕上げは製品や設計により異なりますが、多様な種類があります。
ALCの特徴は?
ALCパネルは、珪石・セメント・石灰・発泡剤などから作られる「軽量気泡コンクリート」です。
高温で発泡加工しており、内部に気泡が空いているため、非常に軽いのが一番の特徴(一般的なコンクリートの約1/4の重量)です。
ALCパネルは、耐久性が高く、50年以上もつと言われています。
また、ALCパネルは、断熱性が高く、夏の暑さ、冬の寒さでも室内の温度を一定に保つ断熱効果があります。
さらに、遮音性が高く、音を吸収するため、体感値で音の大きさが半分に減少するほどと言われています。
ただし、ALCパネルは、他の外壁材よりも性能が高い分、費用もやや高い傾向にあります。
ALCのメンテナンス方法は?
ALC外壁のメンテナンスには、以下の点に注意する必要があります。
メンテナンス頻度は、7~10年が目安です。
定期的に外壁の状態を確認し、劣化のサインを見逃さないようにしましょう。
チョーキング現象や塗料の浮きや剥がれ、カビやコケ、藻などの発生、コーキングの劣化、ALCパネルの破損やひび割れなどが、ALC外壁の劣化現象として挙げられます。
これらは劣化のサインであって、定期的に確認する必要があります。
ALC外壁の塗装は、透湿性能(水蒸気を通す性質)の高いものを選ばなければなりません。
吸水性が高い建材であるALCは、目視の点検で見落とされたごく小さな隙間から浸水が起こることがあります。
コーキングは一般に外壁の塗装よりも劣化が早いため、こまめなチェックと状態に応じた補修が必要です。
修繕の方法としては、増し打ちと打ち替えの2つの方法があります。
ALCパネルの外壁の建物を建てる際には必ず塗装が行われますが、塗装は経年劣化で機能を失っていくため、定期的な塗り替えの必要があります。
ALCのメリット
ALC外壁のメリットは以下の通りです。
- 軽量であるため、地震時の揺れや構造体にかかる負担を軽減できる。
- 火に強く、不燃材料であるため、火災時に有毒なガスや煙を出さない。
- 断熱性が高く、夏の暑さ、冬の寒さでも室内の温度を一定に保つ。
- 遮音性が高く、音を吸収するため、体感値で音の大きさが半分に減少するほどと言われている。
- 耐久性が高く、50年以上もつと言われている。
- デザインの自由度が高く、意匠パネルをラインアップしているメーカーもある。
ALCのデメリット
ALC外壁のデメリットは以下の通りです。
- 時間と共に耐久性が低下しやすい傾向がある。
- 一部のALC外壁は保温性が劣ることがあり、気温変化に対する十分な絶縁を保てない可能性がある。
- 他の素材に比べて製造及び施工コストが高いことがあり、予算に影響を与える可能性がある。
- 比較的脆い素材であるため、特に大規模で複雑なデザインの建築において制約が生じる。
- 外部環境にさらされると、汚れや劣化が起こりやすく、定期的なメンテナンスが必要となる。
alcとコンクリートの違いは?
ALCとコンクリートの主な違いは質感、軽量性、及び製造プロセスにあります。
ALCは軽量で滑らかな質感、均一な色合いを持ち、微細な気泡が含まれています。
一方、コンクリートは堅固で重厚な質感で骨材が見えることが一般的です。
また、ALCは高温と圧力で製造され、軽量化されたコンクリートであるのに対し、コンクリートは骨材とセメントの混和によって形成されます。
外壁のalcとコンクリートの見分け方は?
見た目や質感で見分ける
ALCとコンクリートの見分け方として、見た目や質感にいくつかの違いがあります。
- 軽さと質感:ALCは一般的に軽量かつ滑らかな質感を持っており、表面が均一で仕上げられています。対照的に、通常のコンクリートは重厚で堅固な質感を持ち、表面には骨材が見られることあります。
- 色の一様性:ALCは製造過程での均一な配合により、均一な色合いを持っています。コンクリートは原材料や混和剤の違いにより、バラつきが生じることがあります。
- 孔の有無:ALCには微細な気泡や孔が含まれており、これが軽量性をもたらしています。コンクリートは通常密度がより高く、微細な気泡が少ない傾向があります。
- 細部のデザイン:ALCは比較的柔軟で軽い素材のため、複雑なデザインや刻み込みが施しやすいです。コンクリートは堅固であるため、凹凸や複雑な模様が難しい場合があります。
打音で見分ける
外壁において、ALCとコンクリートの見分け方を打音という点で比較することができます。
ALCはコンクリートよりも軽く、空洞が多いため、鈍くて深い音がします。
一方、コンクリートの打音は鋭く、浅い音が特徴的です。
ALC以外の外壁種類一覧
ALC以外の外壁材には、以下のような種類があります。
- サイディング(窯業系): 現在の日本の住宅の外壁材の約80%を占めると言われており、デザインのバリエーションが豊富で、耐火性や耐震性・遮音性といった機能性に優れています。費用も手頃であるため、コストパフォーマンスが高い外壁材です。
- サイディング(木質系): 木材が持つ素材感や温かみを感じられ、経年変化による色合いの変化も楽しめる外壁材です。断熱性に優れており、省エネ効果も期待できることから環境に優しいというメリットもあります。ただし、価格が高く、防火性能が低いため、地域によっては使用できない場合があります。
- サイディング(金属系): 耐久性が高く、メンテナンスの手間が省けるため、使い勝手抜群で高い人気を誇ります。断熱性に優れており、室内の温度を一定に保ちやすく、省エネにもつながります。軽量で施工しやすく、耐震性に優れているため、住宅にかかる負担が少なく、耐震性が高いです。相場費用は1平方メートルあたり約4,000円から、メンテナンス周期は約10〜15年です。
- タイル: 耐久性が高く、デザイン性に優れています。ただし、価格が高く、施工が難しいため、専門的な技術が必要です。
- モルタル: 施工が簡単であるため費用や工期を抑えられ、一定の品質が担保されるという仕上がりの安定性が特長です。ただし、吸水性が高く、外壁材自体には防水機能がありません。上から塗装することで、塗膜によって防水機能を持たせているため、塗膜が劣化すると防水機能が失われ、外壁材が変形したりひび割れを起こしたりするリスクがあります。
- レンガ: 耐久性が高く、デザイン性に優れています。ただし、価格が高く、施工が難しいため、専門的な技術が必要です。
- 木板張り: 木材の風合いを生かしたデザイン性に優れています。ただし、価格が高く、メンテナンスが必要です。
外壁種類の見分け方が難しい時は専門家に依頼する?
外壁の種類を見分けることが難しい場合は、専門家に依頼することをお勧めします。
外壁材の種類によって、耐久性や防水性、断熱性などの性能が異なります。
また、外壁材の種類によっては、施工方法やメンテナンス方法も異なるため、専門的な知識が必要です。
外壁材の種類を見分けることが難しい場合は、専門家に相談することで、適切な対応ができるようになります。
「alc 外壁 見分け方」を検索する人がよく思う質問4選
まとめ:alc外壁の見分け方が難しい時はプロにお願いしよう
ALC外壁の見分け方が難しい時は、プロにお願いすることをおすすめします。
プロならば、ALC外壁の状態を正確に診断し、必要な場合は補修や塗装などの対策を提案してくれます。