軒天塗装ではがれが見えたときにはその原因を考えて対策をする必要があります。
というのも、外壁というのは一部が不完全であるとその部分から雨漏りなどしてしまい、他が完璧でも意味がなくなるからです。
つまり、外壁や屋根は一部の弱いところから雨漏りなどの原因を生むので、全体としてある程度機能する必要があるからです。
そのため、軒天塗装のはがれが見えたときには、しっかりと対処できるようにこちらを見ていってください。
軒天塗装のはがれ原因は劣化と雨風
軒天塗装のはがれについては多くの場合劣化による影響が大きいです。
劣化によってはがれだした塗装を、台風などの雨風によって濡らしてしまうという状況になります。
つまり、軒天塗装のはがれなど劣化が見えた段階で、潜在的に雨漏りなどの可能性が発生していることになり、修理を検討しなければいけないのです。
軒天塗装の費用
軒天塗装の費用はそれほど高くなく、平米あたり1000円から1500円ほどです。
フッ素などの塗料を使えば平米あたり2000円近くになることもありますが、多くの場合には軒天の素材自体がそれほど耐久性がないこともあって、高耐久塗料を利用されることはまれです。
30坪ぐらいの一般的な家屋の場合には、5万円前後に足場代の10万円から15万円を追加して、20万円前後での修理費用になります。
足場代のほうが高く付くことから、外壁塗装や屋根塗装など足場が必要になる塗装と同時に行うことで、足場代が節約できるので多くの方はこのタイミングで家の塗装修理をします。
次に軒天の代表的な劣化状況を写真で確認していきます。
変色やシミは劣化初期症状
軒天の劣化については変色やシミが発生することがまず第一段階です。
軒天の色は基本的に明るい色が多く、そのときには変色やシミが目立つこともあって、劣化状況が分かりやすいです。
そもそも、変色やシミは塗料の塗膜がしっかりしていれば、基本的に発生しないわけですから、塗膜が切れてしまっているともいえるのです。
外壁でいえば触ったときにチョークの粉が付くような現象で、その名前のままに「チョーキング現象」と呼ばれていますが、軒天は屋根の裏側に当たる部分なので触ることはできません。
しかしながら変色やシミでこの状況が発生している可能性を把握できますので、そういう観点から考えてみてください。
軒天の変色やシミは、そろそろ軒天の塗装をしなければいけないというサインとして修繕時期の判断に使ってください。
はがれは劣化終盤症状
軒天の塗料がはがれてしまうということは、塗料自体が劣化していることに加えて、軒天材内部から塗料に対して影響を与えている可能性があります。
つまりは、早急な対策が必要なサインであると考えられます。
これを放置することで次に説明するカビが生えてしまう状況につながりますから、軒天の修繕をする最終ラインともいえるでしょう。
カビは放置厳禁!
軒天にカビが発生するということは、内部に水分が溜まってしまっていることを意味していますので、早急に対処が必要になります。
軒天自体に多少水分が付くのは仕方ないとしても、問題としては日ごろから水分が溜まってしまっている状況にあります。
カビなどが生えてしまうことは軒天自体を傷めることのみならず、家の構造部分にもダメージが及ぶことがありますし、生活への影響として雨漏りの原因になることもあります。
このような場合に、軒天の張り替えが必要になり、5万円の塗装費用で済むものが20万円から30万円の修理費用になってしまう可能性がありますので、よく注意して修繕の時期を逃さないようにしたいものです。
割れや破損はすぐに修理へ!
軒天が割れてしまっている場合や破損している場合はすぐに修理が必要です。
今までは塗装で雨風をしのぐという話でしたが、割れてしまっている場合はもうそういったレベルの話ではないのです。
ちょっとした強い雨によって内部へ雨水の侵入を許してしまいますから、外壁や屋根で水をしっかりと防いでも、一部の弱いところから雨水が建物へ侵入してしまうわけです。
このように雨漏りなどは建物の弱い部分から起こりますので、全体としてある程度の質は保つ必要があるのです。
軒天の材質による影響
軒天の材質はざまざまですが、それぞれによって劣化状況が多少変わってきます。
こちらでは軒天の良く見る3つの材質について説明をしていきます。
合板やベニヤ板(木質系)
古い建物の軒天に多い合板やベニヤ板は木材の材質です。
木材ですから当然腐食を心配したいところですので、軒天の劣化についてはその点をしっかりとみていきたいところです。
カビが生えてしまうというのは、日常的に水分にさらされているサインですから、早急な対処が必要でしょう。
ケイ酸カルシウム板(ケイカル板)
通称ケイカル板はケイ酸カルシウムで出来た板です。
写真で見てわかるように良く見るタイプの軒天ですね。
なぜか塗装色も白が多く、劣化が目立ちやすいので良い意味では修繕の時期が分かりやすく、悪い意味では美観を損ないやすいのが特徴です。
金属板
材質は様々ありますが、この写真では古いタイプの金属製軒天です。
金属ですからさびが心配ですが、管理によっては高耐用年数の素材であり、塗料などもフッ素などの高耐用年数のものを利用することによって、長く軒天を使うことも可能です。
そのためにも、軒天の状態に異常がないかをしっかりと確認していきたいものです。
軒天塗装はDIYでも補修できる?
軒天塗装はDIYでもすることはできますが次の3つの理由からやめたほうが無難です。
- 軒天は高所作業になるので事故の危険がある
- 簡単そうに見えて実は難しい塗装作業
- 業者に任せる費用自体は高くない
軒天は基本的に屋根の裏側にありますので、当然高所での作業となります。
高所での家修繕でけがをするという話はよく聞く話で、けがをしてから業者に任せればよかったと考える人がほとんどです。
わざわざリスクを冒してまで作業したい場合には止められませんが、けがをすることで困るならば高所での家メンテナンス作業は業者に任せましょう。
また軒天の塗装は簡単そうに見えて実のところそれなりに面倒で難しい特徴があります。
塗装はまず洗浄作業を行ってから下地処理を行ってその後塗装を重ね塗りするという作業が一般的ですが、軒天の材質自体が劣化している場合には塗装でなく張り替えをする必要があり、そのような場合には素人が確認して判断できません。
また木部以外においては「吸い込み止め」という塗料を塗る必要があり、考え方としては下地処理の一環をしっかりしなければ作業の質が落ちるのです。
そして上を見上げながらする作業というのは思いのほか難しく、首と肩にかかる負担に加えて、脳にかかる負担も大きいものと考えています。
やはりこれを日常的に出来る業者は職人技のできるところにあるといってもよいでしょう。
最後に業者に任せた場合には30坪ぐらいの標準的な家で5万円から高くても10万円ほどの塗装費用で済みます。
ただし、足場代は別なので外壁塗装や屋根塗装などの足場を使う家のメンテナンスと一緒に行われるのが普通です。
これら3点を考えてみると無理にDIYで塗装する必要がないことがわかり、特に失敗してしまった場合には軒天の張り替えとなり、費用は20万円前後と割高になってしまうことから、軒天の修繕は業者に任せてしまうことが賢い選択です。
有孔板と高圧洗浄機
有孔板とは軒天に丸い穴が開いているもので、軒天を下から除いたときに見える丸い穴が見える板を良く確認すると思います。
こういった軒天に高圧洗浄機を使って洗浄作業をしないように気を付けてください。
他の軒天でも高圧洗浄機は危険であるわけですが、有孔板の場合には特に気を付ける必要があるわけです。
また基本的に家の外壁や屋根のメンテナンスについては、高圧洗浄機を使ってはいけません!
塗装などがされていないブロック塀には使うことができるかもしれませんが、基本的に家のメンテナンスで使えるのはそういった部分ぐらいです。
テレビCMなどで高圧洗浄機による家外壁の洗浄などやっていますが、実際には塗膜なども削り取ってしまったり、コーキング部分(一部外壁に使われている外壁のつなぎ目部分)を傷めてしまったりと、実はやってはいけないことなのです。
軒天もそうですが外壁や屋根についても高圧洗浄機を利用しての掃除はしないほうが無難です。
軒天塗装のはがれがあるなら他への影響も考える
ここまで見てきたように軒天の塗装がはがれてしまっているならば、他の部分への影響もよく考えたうえで家の修繕を考えていきましょう。
雨漏りなどは弱い部分から発生してしまうために、他は完璧でも一部が弱い状態になっていれば意味がないということは、ここまで話したとおりです。
つまり、家のメンテナンスとしては一部だけしっかりやるというよりかは全体としてしっかりと機能させる必要があります。
軒天は劣化が分かりやすいこともあって、適切な時期にメンテナンスをするようにしてください。
その場合も費用などを考えると足場代が高く付くことが多いですから、外壁塗装や屋根塗装など足場を使う修理を同時に行うことが賢く家の修繕をしていくポイントになりますので、参考にしてみてください。
以上、「軒天塗装のはがれ原因とDIYでも補修できるか」でした。
お役立ていただければ幸いです。