漆喰とは、伝統的な建築材料で、最近ではあまり見かけないかもしれません。
あたたかな雰囲気と高級感を併せもつことから、和洋問わずどんなタイプの住宅建築にもなじみ、おしゃれな外観を演出してくれます。
漆喰外壁の10年後は大丈夫?
漆喰の耐用年数は100年以上といわれています。空気中の二酸化炭素を吸収することで固くなり、時間が経つにつれて強固になるためです。
しかし、メンテナンスフリーで100年もの間もつわけではありません。
施工から約10年程度で、漆喰外壁の汚れ、ヒビや剥がれ、変色などがおこります。
綺麗な漆喰の外観を保つ意味でも10年から20年に1度メンテナンスをおこない、きれいな状態に保つと良いでしょう。
漆喰外壁が汚れたときの対処法は?
漆喰外壁の特徴といえば「白い」ことですね。
世界遺産に登録された兵庫県にある姫路城は、漆喰の白がとてもきれいで、別名白鷺城といわれています。
そんな漆喰がもし汚れてしまった場合、どのように対処すればよいのでしょうか。
消しゴムを使う
手あかや擦れによる汚れなどには、消しゴムが有効です。
子供がつけた落書きなども意外と消しゴムで綺麗になる可能性があります。
消しゴムで汚れを落とす際は、汚れのない綺麗な消しゴムを使用してください。
汚れを落とすつもりが、消しゴムの汚れが付いてしまい、逆に汚れてしまう結果になりかねません。
紙やすりを使う
水分を含んだ汚れは漆喰の奥に染み込んでいる可能性があります。
その場合紙やすりで汚れを削り取る方法が有効です。
汚れが深くまで染み込んでいる場合は、より深く削り取る必要があります。
ただし、削り取りすぎると削った場所のテクスチャが変わり、補修した箇所がわかる様になってしまいます。
目の細かい120番から240番の紙やすりで磨き上げるようにしましょう。
洗い流す
雨だれや油汚れは中性洗剤が有効です。
中性洗剤の成分の界面活性剤が油汚れを浮かし綺麗にしてくれます。
また、紙やすりや消しゴムと異なり、洗剤で洗い流せば、漆喰の表面を傷つけることが少なくなります。
経年劣化による変色を白く戻すことは難しいですが、どうしても落ちないシミなどは、アルカリ性の漂白剤入り洗剤を使うと良いでしょう。
汚れた部分を漂白し、元の漆喰の白色に近づけることができます。
※漆喰は消石灰が原料のため、アルカリ性です。そのため酸性の洗剤は使用しないようにしてください。
漂白には時間がかかりますので、漂白剤をティッシュに染み込ませ、シミのある個所に張り付けるなど、漂白剤が効果を発揮する工夫をするとよいでしょう。
その際、手袋などをつけて漂白剤が直接皮膚につかないようにしましょう。
肌荒れの原因となります。
漂白後の外壁は水洗いして漂白成分を洗い流してください。
漆喰外壁のメンテナンス方法は?
漆喰は、壁に塗ったあと、徐々に硬くなり、100年ほどで、石灰石に戻ると言われています。
その間、微妙に収縮し、ヒビや剥離といった経年劣化が起こります。
そういった経年劣化が起こった際のどのように対処すればよいでしょうか。
ひび割れや傷がある場合
小さなひびや欠けたところがある程度であれば、ひびなどがあるところに新しい漆喰を重ね塗りする方法がよいでしょう。
しかし、同じ色の漆喰で補修しても新しい漆喰と経年変化した漆喰では色が異なり、また塗り方や盛り上がり肩などでも微妙に同じにならず補修箇所がわかってしまいます。
もし、補修箇所をわからないようにしたいということであれば、補修したい壁一面を全て塗り直す必要があります。
しかし、費用もその分かかります。
剝がれてしまった場合
漆喰は、下地の上に塗られた1mm程度の厚みの仕上げ材です。
漆喰外壁の施工後、徐々に硬化し収縮することで、下地との間に隙間ができ、その結果下地から剥離してしまいます。
特に、雨が跳ね返る地面近くは、より雨水が下地との間に入りやすく、漆喰が剥がれやすくなります。
剥がれてしまった場合、下地を平らに補修した上で、漆喰を塗る必要があります。
漆喰外壁の補修を業者に依頼した方がいい場合とは?
漆喰の補修は、テクスチャが変わってしまったり、余計に傷を増やしてしまう事もあるため、来客のあるようなリビングや応接間の補修は、業者に頼むほうが無難かもしれません。
補修範囲が広範囲に渡る場合や綺麗に仕上げたい場合は、業者による補修がおすすめです。
「漆喰 外壁 10年後」を検索する人がよく思う質問4選
まとめ:漆喰外壁は定期的なメンテナンスが重要
漆喰は、伝統的かつどこにでも使え、高級感があり、耐用年数が100年と長い、優秀な建築素材です。
しかし、美しく保つにはメンテナンスが必要です。
10年から20年に1度は、掃除と塗り直しを行い、綺麗に保つようにしましょう。